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ING銀行によるデータ・ファブリックのビジョンの実現

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ハイブリッドクラウド環境のデータ・ガバナンスとユーザー・アクセスをIBM Cloud Pak® for Dataで改善

2021年7月6日  By Shadi Copty, VP of Offering Management, Cloud Pak for Data, DataOps, and Watson Tools, IBM

岡田正雄 
日本語翻訳監修
日本アイ・ビー・エム株式会社
理事 グローバル・ビジネス・サービス事業部
戦略コンサルタント
金融ソートリーダー
IBM Industry Academy Member(Banking)

 

銀行業界におけるビジョナリーとはどのような人物を指すのでしょうか。ビジョナリーと呼ばれる人には様々なタイプが存在します。ビジョナリーは、個人の背景、職務における実績、業界の動向からインスピレーションを得ており、その卓越性は通常、発想、ビジネス感覚と経済観、あるいは、社会状況の変化を通じて得られます。ビジョナリーの創造性に富んだアイデア、情熱、強い意思が、ビジョンを現実に変えるのです。

ビジョナリーは、自分1人では自らのビジョンを完全には実現できないことを知っています。どれほど優れたコンセプトのプランでも、他者との協力なしでは達成することはできません。成功には、アイデアの実現に尽力してくれる個人や企業の存在が不可欠なのです。

ハイブリッドクラウド環境におけるデータ・ファブリックの利用について、ING銀行 主席AIアーキテクト Ferd Scheepers氏のビジョン(英語)をご覧ください。

ガバナンス、セキュリティー、コンプライアンスをインフラに組み込むためのデータ・ファブリック

ところで、データ・ファブリックとは何でしょうか。データ・ファブリックのアーキテクチャーの核となるのは、データの検出、ガバナンス、関連付け、オーケストレーションといったあらゆる統合データ管理機能を、オンプレミス、マルチクラウド、ハイブリッドクラウドなどどんなプラットフォーム上でも実現できるデータ管理プラットフォームです。このプラットフォームからは、アプリケーション、アナリティクス、ビジネス・プロセスの自動化を支える、ビジネス対応のデータが提供されます。データ・ファブリックは、企業が適切なデータを適時に、最適なコストで、エンドツーエンドのガバナンスとともに提供し、ユーザーのニーズに対応できるよう支援します。

ING銀行がたどり着いたのはデータ・ファブリック

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ING銀行の主席アーキテクトであるFerd Scheepers氏は、以前からハイブリッドクラウド環境におけるデータ・ファブリックの利用を考えていました。Scheepers氏には、業界のリーダーたちと連携し、データ・ガバナンスのコンセプトに関するビジョンをING銀行で実現してきた長年にわたる実績があります。それはデータウェアハウスから始まり、データレイク・ソリューションへと進化し、ハイブリッドクラウド・インフラへと拡大されてきました。ING銀行のエコシステムが変化してもその方針は変わりません。INGのデータ・シチズン(適度なデータ分析タスクをこなせるソフトウェアのパワーユーザー)が、ビジネス・ポリシーや複数の管轄区域にわたる規制に準拠した、ガバナンスの保たれたデータとツールセットにアクセスできるようにすることを目標としています。

コストがかさむ手作業を排したガバナンスの維持

一元的なガバナンスによるING銀行のデータレイクは、表面的には組織や規制上のニーズを十分に満たしていたものの、Scheepers氏は重要なビジネスを支えるこの環境をさらに改善したいと考えていました。しかし、膨大な手作業、対象分野の専門家の不足、それに伴う保守コストの増大が、データレイクにより多くのデータを取り込むための阻害要因となっていました。さらに、クラウドやクラウドネイティブ・アプリケーションに移行するデータの増加と共に問題が増え続け、事態は堂々巡りの様相を呈していたのです。加えて、クラウド上のデータについても、オンプレミス環境と同様にガバナンスを強化する必要がありました。異種混合の環境とクラウド上の多様なツールが絡み合って複雑化した状況は、何とも悩ましいものでした。

組織全体のデータ・アクセスを強化して問題を解消

解決策を探る中で、信頼できるパートナーであるIBMに自らのビジョンを伝えました。Scheepers氏が求めていたのは、抽象化層の自動化です。データとデータ利用者との間にあるもので、ハイブリッドクラウド環境全体に渡るものです。この層は、ING銀行のガバナンス・ポリシーに準拠し、異なるレコード・ソースからのデータを配信し、ING銀行の業務で使用する言語に直接マッピングできるものでなければなりません。最終的な目標は、複雑な作業や手作業を減らし、ING銀行のデータ利用者や業界の規制当局に、新たな可能性を提供できる見通しを立てることでした。

インテリジェントなデータ・ファブリックで、適切なデータを、適切なユーザーに、適切なタイミングで提供

Scheepers氏は、IBMのData & AIのチームと連携して、IBM Cloud Pak® for Dataを基盤とするデータ・ファブリック・ソリューションを構築しました。IBM Cloud Pak for Dataは、INGのマルチプラットフォーム/異機種混合の現状に適合したオープンなハイブリッドクラウド環境で動作します。これによって、あらゆるクラウド/オンプレミス上の適切なデータに、最適なコストで、適切なレベルのガバナンスを維持しながら、必要な時にアクセスできるようになります。

INGはこのソリューションを使用して、データがどのプラットフォームに存在するかにかかわらず、データ・ストア全体にガバナンスとデータ品質に関するルールを設定し、ビジネスの分類体系、アクセス権、プライバシー、保護を定義しました。そしてこのデータ・ファブリック・ソリューションによって、ビジネス上の監査や規制当局の監査にも対応できる高品質なデータを、ガバナンスを維持しつつ、同行の複数の支店を含むグループ全体に提供するという難題を解決しました。このソリューションにより、データの使用パターンに基づいて、仮想的または物理的なデータ統合が自動的に行なわれます。

IBMの能力とCloud Pak for Data上のデータ・ファブリックにより、このビジョナリーの理想がオランダのING銀行で実現したのです。

IBM Data and AIブログでは、IBM Cloud Pak for Dataデータ・ファブリックなど関するニュースもご覧いただけます。

*このブログは、2021/7/6に発行された“ ING carries out its data fabric vision(英語)の抄訳です。

 

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