デジタル変革(DX)
取引情報の電子化で踏み出すDXの「はじめの一歩」- 中小企業共通EDIサービスのご紹介
2022年12月07日
カテゴリー IBM Partner Ecosystem | デジタル変革(DX) | 業務の自動化 | 業務プロセスの変革
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中小・中堅企業の受発注業務の多くは、今もなお、FAXや電話などのアナログ機器を使用して行われているのが現状です。しかし、そのような社外とのやりとりを含めてデジタル化を進めることができれば、ペーパーレスの実現や作業負荷の軽減など、大きな業務改善効果が期待できます。今回は、伝票などの電子化や受発注業務、経理業務のDX化を進めたいとお考えのお客様向けに、見積、発注から請求まで、業務データを一気通貫で連携可能なEDIサービスをご紹介します。
(※EDI : Electronic Data Interchangeの略。電子データ交換。異なる企業間でやり取りされる注文書や請求書などの伝票類を、インターネットを使用してデータにより送受信すること)
<目次>
受発注業務のデジタル化への課題
業務効率化の観点からもメリットの大きい受発注業務のデジタル化ですが、いまだに多くのお客様が従来のアナログな受発注業務を続けている理由はどこにあるのでしょうか。お客様が直面されている主な課題についてご紹介させていただきます。
課題(1) 取引先とデジタル・データで連携ができない
「社内のデジタル化は進めているが、社外との電子取引には着手できていない」というお声をいただくことがございます。取引先よりFAXやメールで注文書を受け取った際、自社の受注システムに手入力をする、という作業が当たり前に行われているかと思います。ただ、このような業務では人的ミスが発生しやすく、また納品トラブルが発生した場合には企業の信頼を失いかねません。また、取引量が増えるほど人的コストもかさむことになります。
課題(2) 取引先ごとのバラバラの仕組みが生み出す「多画面問題」
多画面問題とは、取引先ごとに異なる仕組みでデータを扱うため、複数の画面を切り替えて受注処理を行わなければならないという問題です。特に、中小・中堅企業では、主導的な立場にある取引先により指定された仕組みを利用しなければならないケースが多く、導入運用・管理業務やシステム投資が追いつかない問題が発生しております。
課題(3) 電子帳簿保存法、インボイス制度への対応が急務
2022年1月に「電子帳簿保存法」の改正が施行となり、企業間の受発注業務をアナログからデジタルへと切り替えることがコンプライアンスの観点からも急務となっています。現在、各企業の経理担当者は、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に追われているのではないでしょうか。特に、これまで手作業による請求業務を行っていた企業では、従来の方法のままでは、業務負荷が非常に大きくなってしまいます。
課題(4) 中小企業の人的/金銭的リソースの不足
中小企業の受発注業務ではEDIシステムの導入を検討しつつも、IT人材不足、活用方法の浸透不足、コストの問題などにより、業務のデジタル化は検討のハードルが高いというのが現状です。
ソリューション紹介:共通EDIサービス「EcoChange」で課題を一挙解決
今回ご紹介する共通EDIサービス「EcoChange」は、大手・中堅から中小企業まで、幅広い企業の受発注業務のデジタル化を簡単、便利に、低コストで実現する、グローバルワイズ社が提供するソリューションです。従来、紙で取り扱っていた情報や、紙を取り扱うことに付随するさまざまな問題を、汎用的な機能・オプションと手厚いユーザー・サポートで解決します。
解決策(1) 受発注の一連の業務をデジタル・データで連携可能
本ソリューションでは、取引先などの相手先企業を含め、見積から発注、出荷・検収、請求、支払までの一連の業務をデータで連携することが可能です。データをCSVやExcelでダウンロードし、自社内システムに取り込むことで、手入力を行うことなく業務が進んでいきます。
解決策(2) 共通辞書の活用で、仕組みの異なる取引先とのやり取りが簡単に
本ソリューションは、注文データ等をアップロードすると、共通化された情報フォーマットを基にデータ変換を行うため、複数の相手先企業にデータを一斉送信する際にも、項目名や並び順を気にすることなく、自社フォーマットのまま送受信することが可能となります。それにより、これまで取引先ごとに個別対応をしていた受発注業務が一気に改善されます。
解決策(3) インボイス制度・電子帳簿保存法への早急な対応が可能
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しており、請求業務のデジタル化を加速させます。
本ソリューションは「インボイス制度の登録番号」「適用税率」「消費税等の額」が標準項目として備わっています。基幹システムとデータ連携すれば、受け取った請求データを基幹システムにそのまま連携できます。受け取ったデータを基幹システムに手入力する必要がなくなるため、入力ミスがなくなり、人的作業が軽減されます。さらに電子インボイス制度にも対応しており、適格請求書を電磁的記録で管理することも可能です。
また、電子帳簿保存法についても「電子取引データ」の保存要件である下記項目に対応しています。
- クラウド上に電子取引データを保存
注文・出荷・検収・請求などの電子取引データ(EDIデータ)をクラウド上のデータベースに保存できます。保存できるデータ容量は標準で5GBです。 - システム上でのデータの改ざん、削除ができないこと
お客様がご自身でデータを削除することができません。送信済EDIデータを編集・更新することはできますが、同じ文書番号のEDIデータを再送信することで、入力された情報が上書きされて更新履歴に残ります。履歴は閲覧することができるので、タイムスタンプ要件の代替えとしてご使用いただけます。 - 検索機能を備えていること
検索要件で指定されている検索項目の「取引年月日」「取引金額」「取引先」を検索条件として指定できます。
解決策(4) 中小企業のための汎用的なEDIサービス
本ソリューションは「中小企業共通EDI」に準拠した共通EDIプロパイダ製品です。専門のIT要員などの人手がない場合も、中小企業が簡単に使えることを目的とし、受発注業務のIT化を実現できる汎用性の高い仕組みとして認定されています。中小企業共通EDIは、平成28年度中小企業庁事業「次世代企業間データ連携調査事業」により策定され、その効果として、約50%程度の業務時間削減効果が得られると実証されています。そして、国連CEFACTの業界横断EDI辞書に基づいているため、これまで業界・業種間で異っていた、取引データにおける情報項目やフォーマットを共通化します。さらに、クラウドサービスのため自社でのサーバー導入は不要ですぐに始められます。(本ソリューションはIBM Cloud上で稼働いたします。)
本ソリューションの3つの特徴
- 幅広い業務プロセスに対応
・ 見積から、受発注、出荷、検収、請求、支払いまでの一連の業務を情報連携できます。
・ 対応可能な業務プロセスの数は、中小企業共通EDIに認定されている共通EDIプロパイダの中でも最多です。 - 多くの業務アプリケーション・EDIプロパイダと連携実証済み
・ 数多くの業務アプリケーション・EDIプロパイダとの連携が可能で、APIを使用した直接連携とCSVファイルなどによる間接連携が可能です。
・ 連携アプリケーションとなっている製品以外でも、テキストデータの出力が可能であれば、マッピング機能により連携できます。
・ クラウド・オンプレ問わず、API連携で基幹システムともシームレスに連携します。 - 豊富な機能オプション
・ EDIデータの送受信だけではなく、図面などのファイル添付や帳票発行など、その他のデータを送受信する機能も充実しています。
・ モバイル端末の活用、既存EDIとの接続、FAX・メール・郵送との連携など、オプションによる機能拡張で可能性は無限大です。
EDI導入の費用削減効果
普段、当たり前のように行っているFAXでの受発注業務ですが、実は相当なコストがかかってます。下記の図では、月100社の取引先に78,500件の伝票・明細を送る際に発生するコストを、FAX使用の場合と、本ソリューションを導入した場合とを比べてみました。
受発注業務のメインツールをFAXから本ソリューションに変更した場合、実に127万円のコストダウンが期待できます。これほどの費用を1ヶ月で削減できるのであれば、かなりの費用削減効果を実感することができますね。
導入事例
お客様:電気工事資材専門商社
本ソリューションをご導入いただいたお客様の事例をご紹介します。本ソリューションの導入前は、電話・FAXで発注業務を行われていましたが、仕入先が既にEDIを活用されていたことをきっかけに導入が決まりました。また、EDIを自社開発することも検討されましたが、多額の開発費用が必要となり、断念されたという経緯がありました。今では、70社超の取引先様と本ソリューションを利用し、受発注業務のデジタル化に成功されています。従来のFAX・メールのやりとりでは専任担当者による対応が必要でしたが、本ソリューションの導入による効率化で、担当者1人分の作業量を削減することができました。現在では作業量が減った分、それまではチャレンジしたことがなかった見積り業務などを担当するようになり、社員の業務範囲の拡大やキャリア・アップにも貢献しています。
導入効果1 | 受発注データと社内システムとの連携による業務効率化、コスト削減 |
導入効果2 | 入力誤りや発注漏れなどの人的ミスの軽減 |
導入効果3 | 保存した取引データの検索による効率化、保存コスト削減 |
料金プラン
本ソリューションは従量課金制プランと年額費用固定化プランをご用意しております。従量課金制プランはEDIデータの送信量に応じて金額が変動する仕組みです。一方、年額費用固定化プランはEDIデータをどれだけ送っても利用料は変わりません。また、社内に専門のシステム担当者がいらっしゃらないお客様向けに、初期導入支援やオンライン説明会等のオプション・サービスもご用意しております。
本ソリューションを導入後も安心してご利用いただけるように手厚くサポートさせていただきます。お客様にご要望に寄り添いながら、課題解決に向けた最適なプランをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。
<見積参考例>
年額費用固定化プランを取引先10社とご利用いただいた場合の利用料金例です。
ご導入の検討について(無料トライアル・個別相談会など)
いかがでしたでしょうか。企業間取引がEDI化されることにより受発注・請求・決済における業務のデジタル化が加速されます。EDIシステム導入は、サプライチェーン・バリューチェーン全体におけるDX推進の「はじめの一歩」につながります。
これまで紙やFAXで行ってきた業務をデジタル化することは社内外の業務プロセスを改善する取り組みになります。もちろん取引先の理解・協力をえないことには始まりません。導入の敷居が高いと思われましたら、ぜひEDIシステムの使い勝手や効果をご理解いただくために、テストアカウントを取得して無料トライアルをご活用ください。個別のデモや説明会の開催も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお申し込みください。
小澤 楓
株式会社グローバルワイズ
EDMシステム本部 EcoChange部
大石 正武
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