IBM Sustainability Software
5G時代に企業が成功を収めるために – マルチクラウド、AI、IoT
2019年11月19日
カテゴリー IBM Sustainability Software | 技術動向・トレンド | 設備保全・高度解析
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5Gの「超高速大容量」「超低遅延」「多接続」がもたらすもの
バルセロナで開催された今年のモバイルワールドコングレスでは、実用化が検討されている次世代通信システム「5G(Fifth Generation、第5世代移動通信システム)」が話題の中心でした。
5Gの「超高速大容量」「超低遅延」「多接続」という特性は、ビジネスにおいても日常生活においても、これまでは夢物語として片付けられていたシナリオを現実とするものです。自動運転車や遠隔手術など、従来は「まだ遠い未来」「現実性が低い」とされていたものごとが一気に日常となり、さまざまな産業や生活の基盤を書き換えていくことでしょう。
しかし企業は、5Gがもたらす「超低遅延」や「超高速大容量」を活かしたビジネスアプリケーションの登場を、ただ待っていればいいというものではありません。
5G時代に企業が成功を収めるためには、自社運用システムをさまざまなクラウドプラットフォームとプロバイダーに接続するための、ハイブリッドマルチクラウドアプローチが必要となるからです。
無数のシステム、デバイス、センサーを通じて社内外から届き続ける莫大な量のデータや情報が、超高速で組織や工場内を駆け巡るように準備し、それらがAI技術により価値へと変換され、自社のアドバンテージとして活用されるようになっている必要があります。さらに、組織全体のプロセスと意思決定をスピードアップするための自動化テクノロジーや、複数のAI技術の管理も必要となるでしょう。
こうした包括的でオープンなアプローチにより、企業はコスト削減とイノベーションの加速を同時に実現することができるのです。
企業が5G時代の到来に向け備えるべきこととは
IBMは、5Gに必要な統合イノベーションエコシステムを作成するために、Vodafone、AT&T、Verizonなど、世界中の大手通信会社とのパートナーシップを活用しています。
また、通信サービスプロバイダーと協力してネットワークの再構想を支援するのと同時に、自社ビジネスの改革を5Gで加速しようとする企業や業界を支援しています。
取り組みの一例を紹介します。IBMとVodafone Businessは新たな戦略的商業協定を結び、複数のクラウドを統合するオープンで柔軟なテクノロジーを、デジタルトランスフォーメーションの次の波に備えようという企業に提供するための取り組みをスタートしています。
IBMとVodafone Businessのこの取り組みにより、テクノロジーインフラストラクチャから複雑さが取り除かれ、データはスムーズかつセキュアに組織内のアプリケーション間を流れていくようになります。
また今後、両社はIoT、5G、エッジコンピューティングにおけるVodafoneの強みと、IBMのIoTや複数クラウド環境における専門知識とプロフェッショナルサービス機能を組み合わせ、新しいデジタルソリューションを共同開発していきます。
このように、5G時代は革新の可能性に満ち溢れています。人間と機械のコラボレーション支援を通じ、あらゆるタイプの産業に大きなメリットをもたらします。
ただし、繰り返しになりますが、企業は5G時代の到来に備え、今から自社ビジネスの変革対応準備を進めるべきだという点は忘れるべきではありません。
ビジネス変革を支えるオープンで柔軟なIoTプラットフォームとAI技術
5Gが生活における人びとの体験価値を大きく変化させるのと同様の規模で、企業はデータが自社ビジネス内をすばやく、自由に安全にかけ巡るようにしなければなりません。
それが生産現場の柔軟性を向上させ、労働現場をより安全にするからです。そして技術者が、トラブルや故障を事前予測したり、強力なAR(拡張現実)アプリケーションなどを通じて迅速な対応をできるようにするからです。
そしてビジネスリーダーたちは、5Gのスピード感で意思決定できるようになるのです。
最後に、次世代サービスビジネスの大きな可能性を感じさせる事例を紹介します。エレベーターとエスカレーター業界の世界的リーダーであるKONE社です。
KONE社はIBM Watson IoTを活用し、デバイスやセンサーなどの機器から発信されるドア操作や停止精度といった200近い重要なパラメーターを常に監視しています。そしてそれらのデータをインテリジェントに活かすことで高精度な予知保全を実現し、日々10億人を超える人々の移動を支えています。
こうしたIoTプラットフォームとAI技術の活用により、技術者は24時間365日、離れた場所からチェックを行えるようになりました。その結果、従来の数カ月ごとに物理的なチェックを行っていた頃と比較して、初回修理率25%向上、ダウンタイム削減、顧客からの苦情減少を実現しています。
「超高速大容量」「超低遅延」「多接続」が実現される5Gネットワーク時代においては、リアルタイムバンキングや遠隔手術、自動運転車やスマート農業など、より膨大な量のデータが即時処理されることを絶対要件としたサービスが大量に生まれることでしょう。
そこで最も重要となるのは、デジタルトランスフォーメーションとその次の大きな社会変革、ビジネス変革を支える、オープンで柔軟なIoTプラットフォームとAI技術なのです。
問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
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当記事は、Why the 5G Revolution Needs More than Fiber, Spectrum and Gadgetsを抄訳し、日本向けにリライトしたものです。
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