社員が語る「キャリアとIBM」
お客様の未来を支える、ビジネスからのDX (上)
2024年04月17日
カテゴリー 社員が語る「キャリアとIBM」
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社員が語る「キャリアとIBM」では、IBM社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。
今回は、日本IBMコンサルティング事業本部 ビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業部 執行役員として活躍する、川上 結子さんと鈴村 敏央さんの対談記事をお届けします。
川上 結子
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部 ビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業部
執行役員 / マネージング・パートナー
および 日本IBMチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー
略歴:
大手外資系コンサルティングファーム、スタートアップ企業や起業を経て、2009年に日本IBM入社。
製造業を中心としたお客様へのコンサルティング・ビジネスを担当後、2020年に執行役員に就任。
2021年から全業種のお客様向けにファイナンス・サプライチェーン・トランスフォーメーション担当領域をリード。
現在は、ビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業にて、執行役員を務める。
日本IBMグループの最高情報セキュリティ責任者(CISO)も兼務する。
また、2017年より日本IBM Japan Women’s Council (JWC)リーダーとしての活動を通じて、女性がさらに活躍できる社会を作るための課題に取り組み、社内外に向けて情報発信を行っている。
鈴村 敏央
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部 ビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業部
ファイナンス・サプライチェーン領域
執行役員 / シニア・パートナー
略歴:
20年以上に渡り、様々な業界のサプライチェーン戦略立案や業務改革、システム構想・導入に携わる。
近年は、AI、IoT、アナリティクスを活用した業務改革プロジェクトを多数リード。
現在、IBM コンサルティングにて、ファイナンス・サプライチェーン改革におけるサービス全体とサステナビリティーの責任者を務める。
お二人は、IBMコンサルティング事業本部ビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業でリーダーを務めています。
まず、お二人がリードするビジネス・トランスフォーメーション・サービスでの事業内容について、教えてください。
川上: ビジネス・トランスフォーメーション・サービス(以下略称:BTS)は、全業種のお客様に向けて、全業務に関係する、ビジネスからのDXを実現している事業です。
ビジネスからのDXというのを具体的にお伝えすると、戦略コンサルティング、業務プロセスコンサルティング、システム導入(主にパッケージやテクノロジー導入)、AIを始めとする最先端技術の活用における業務変革、ビジネス創出とビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)を提案し、お客様と共創する事業です。
鈴村: 私は、川上さんが率いるBTS組織の中で、ファイナンス、サプライチェーン領域のコンサルティング、システム・インテググレーション、アウトソーシングといった、所謂サービスのEnd to Endを提供するチームをリードしています。
IBMは、システム開発や運用に生成AIを活用する「IT変革のためのAIソリューションを提案していく」ことを発表しました。
BTSでは、今後どのように生成AIを活用していくのでしょうか。
川上: 今回IBMが発表したのは、AI for IT です。
AI for ITとAI for Businessの2種類があり、AI for ITは、「IT領域にAIを適用していくということ」、AI for Businessは、「ビジネスにAIを適用していく」という意味を持ちます。
テクノロジー導入やシステム開発においては、特に、開発領域にAIの適用が可能です。
BTSでは、AI for Business とAI for ITの両方を取り扱います。
最近では、AI for DXが必要なのではないかという議論も始まっており、益々私の組織には強いリーダーシップが求められています。
鈴村: AI for ITは、開発やプロジェクト・マネージメントといった領域における、AIの活用です。
IBMコンサルティングアシスタントという共通のツールキットがあり、それを使用して、プロジェクト・マネージメントの効率化や開発工程の効率化を行なっていきます。
特に、大型案件に関しては、こうした効率化を図ることで、生産性を上げていき、結果的に、お客様へのサービス品質向上化やサービス期限の効率化を図っていくことができるのが強みです。
SAP領域では、先日コンカー社より「Concur Japan Partner Award 2024」にて、IBMは3度目の最優秀パートナーアワードを受賞しました。
今後SAP領域では、生成AIを中心とした大型案件の推進として、どのような活用を予定しているのでしょうか。
鈴村: 先日アワードをいただいた、コンカー社の事例だと、プロセスのデジタル化もありますが、不正の検知や証憑の確認といった、人間的な確認・判断を行なっている部分に、IBMのAIを組み込み、人間業務の支援をしていくというのが挙げられます。
これは、AI for Business という観点になりますね。
SAPなどのERP導入の中でも、システムとシステム間の繋ぎで、人間の判断業務が入ってきますが、まだ形式化やルール化できていない部分があるので、こうした部分で人間の業務が発生してくる訳です。
今だと生成AIで、そういった間の部分でもデジタル化が可能となり、判断業務の自動化も増えてきています。
IBMの一つの強みとして、グローバルリソースやグローバル案件の豊富さがあります。
何かグローバル案件での事例はありますか。
川上: グローバル案件はいくつかありますが、私自身も入っている大きなグローバル案件があるので、こちらを共有したいと思います。
世界中にSAP S/4HANAを導入するという大型案件で、お客様の社運を賭けたプロジェクトとして、支援をさせていただいています。
最初の導入がヨーロッパ、次が日本なのですが、既にプロジェクトとしては並行して走っています。
日本企業は、特に、欧米にガバナンスをかけるのを苦手としている企業が多く、今回はSAPの知見のみならず、グローバルガバナンスを補うために、IBMで支援をさせていただくことになりました。
日本IBMの社員だけではなく、ヨーロッパからも社員がプロジェクトメンバーとして参加し、推進しています。
まず、お客様が我々をパートナーとして選んでいただいた理由として、2点あります。
1点目は、日本IBMがお客様の本社(日本)と共に推進できるという点です。
2点目は、IBMは、グローバル企業として、他国のメンバーと協業ができ、全世界のプロジェクトについて、マネージメントをコミットしてくれるという期待を挙げていただきました。
「お客様自身で、手の届かない、痒いところまで、IBMなら対応してもらえる」という、世界のIBMが評価された結果だと思っています。
しかしながら、グローバル案件を推進する上で、国や言語、そして文化を超えて、お互いを理解しながら推進するというのは、そんなに容易なことではありません。
グローバル案件ならではの課題はありながらも、プロジェクトメンバーとは、密にコミュニケーションをとりながら、プロジェクトは着実に前進をしているので、やりがいを感じています。
IBMのもう一つの強みは、End to Endでお客様に提供しているという点ですが、他コンサルファームでも、End to Endサービスを全面に提案しているファームもあります。
他コンサルファームと、IBMで提案するソリューションの違いは、どのような点にあるのでしょうか。
鈴村: まず、1点目として、プロジェクト・マネージメントが挙げられます。
業務のEnd to Endとなると、開発や設計するコンポーネントが増えます。
少しテクニカルにお話すると、機能間で調整する機能、データやテストシナリオが増え、プロジェクト内容としても、コンプレックスになっていくということです。
そのような状況下で、品質良くサービスインをさせるとなると、非常に高いプロジェクト・マネージメント力が必要となります。
品質が高いプロマネ力が求められる中で、IBMでは、長年の大規模開発経験に基づいたメソドロジーを保有しているので、ここが圧倒的な強みだと思います。
2点目として、IBM内では、協力しやすいフォーメーションやカルチャーがあるということをお伝えしたいですね。
End to Endでビジネスを行う上で、社内でビジネスを取り合ったり、競い合うというカルチャーではなく、各個人、各専門家をリスペクトしていくカルチャーが浸透しているので、結果的にチームワークが成立しています。
これは、お客様によりバリューを上げて提案していくためにも、社内のカルチャーとして、本質的に重要なことだと考えています。
チームとして、一緒に協業をし、成功を一緒に喜ぶというカルチャーが根強くあることで、忙しい中でも、良い情報やサービスがあれば、社内でどんどん共有していこうという姿勢があるんです。
また、このカルチャーは、日本だけではなく、グローバルレベルで浸透している点も強みだと思いますね。
川上: 鈴村さんの仰る通りだと思います。
少し付け加えるなら、最近は、大手外資系コンサルファームも、End to Endを全面に出して、お客様に提案をしていますよね。
DX戦略は、End to Endでのコンサルが基盤になるので、この提案は、自然なことだと思います。
ただ、IBMと他ファームとの違いは、「IBMは、End to Endの推進を狙うと決めたら、戦略に基づいて、組織を編成することができる」という点です。
BTSという組織は、まさにその編成の中で誕生した組織です。
以前は、戦略コンサル、業務コンサル、パッケージコンサルのようにサイロになっていましたが、組織を再編成し、End to Endを推進することにコミットしました。
この編成を通して、社員にも戦略が明示的に伝わるため、エグゼクティブ層と社員層に乖離が生まれません。
しかしながら、他ファームは、恐らく大型案件獲得だけに注力するシニア層と、実際にプロジェクトに携わる社員との間で、お客様に向き合う姿勢や支援内容にギャップがあり、それ故に、案件獲得後に、炎上してしまっているのではないかと思います。
IBMが、構造的にこうした支援の仕組みを持っているというのも大きいと思います。
IBMが持つ構造的な支援の仕組みがあるからこそ、品質が高いデリバリー提案にも繋がっていますが、その点についてはいかがですか。
鈴村: IBMでは、高いデリバリー品質を保つために、各領域にデリバリーリーダーがいて、どんな些細なことでも、すぐに相談や共有をしていくという仕組みがあります。
例えば、私の組織のデリバリーリーダーは、キーとなるお客様案件に関しては、チェックリストを作成し、定期的に細部まで確認をしていきます。
ヒヤリハットの時から、すぐに課題に気付き、対応していくというプロセスを作ることで、炎上を防ぐことができます。こうした細かいチェックの仕組みがプロセスとして入っているのも、品質高いデリバリーを提案するには、重要ですね。
川上: 鈴村さんがリードするSAP領域は、大型案件も多い中で、ほとんどトラブル案件がないのは、常に適切にプロジェクト・マネージメントされている証拠だと思います。
各プロジェクト・マネージャーがマネージメントを適切にしているのはもちろんですが、IBM内での高い品質を管理する仕組みが整っているからというのも大きいですね。
そういう意味でも、IBMは、安心して、デリバリーができる環境だと思います。
後編に続く
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