社員が語る「キャリアとIBM」

未来の保険業界を支える、パートナーとして

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社員が語る「キャリアとIBM」では、IBM社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。

今回は、日本IBMコンサルティング事業本部 保険・郵政グループサービス事業部 理事として活躍する、廣木 一仁さんのインタビューをお届けします。



廣木 一仁
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部 保険・郵政グループサービス事業部
パートナー / 理事

略歴:

1995年日本IBM入社。入社後は、金融機関のお客様の担当SEとしてシステム基盤の構築・保守を担当。
2007年よりグローバル・ビジネス・サービス事業本部(現IBMコンサルティング事業本部)に異動し、銀行、カード、保険を始めとする金融機関を中心としたお客様の大規模な開発プロジェクトをプロジェクトマネージャーとして従事。
2019年には、保険・郵政グループサービス事業本部の開発部門担当としてパートナーに就任し、保険業界の全てのプロジェクトの開発、保守のサービス責任者となる。
2021年2月よりIBMコンサルティング事業本部保険・郵政グループサービス事業部金融サービス事業部の担当として、保険業界のお客様ビジネスおよび開発の責任を担う。

まず、廣木さんがリードしている保険・郵政グループサービス事業部の事業内容について、教えてください。

保険・郵政グループサービス事業部では、生保、損保会社および郵政グループをお客様として担当しています。
保険業界のお客様に提供しているサービスの一つとして、基幹業務システム更改や保守サービスがあります。
各保険会社にとって、基幹システムは、事業継続するためにも、安定して稼働することが重要です。
IBMは、その一端を担っています。

もう一つのIBMの役割として、お客様のビジネス変革を支えています。
特に、保険会社のお客様は、顧客にパーソナライズされたサービスを提供できるように、ビジネスモデルを変革しようとしています。
IBMの強みとして、最先端のテクノロジー技術の保有です。
この強みを活かして、お客様の実装まで支援を行います。
我々が持つ最先端の技術を利用して、お客様のパートナーとして、コンサルからシステム開発までエンド・ツー・エンドでサービス提供ができるのは、IBMだからこそです。

現在理事として、同事業部をリードしていますが、廣木さんのこれまでのキャリアについて、教えてください。

入社後、約20年間は、金融機関のお客様向けに、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーとして従事していました。
これらの経験を経て、転機となったのは、特定のお客様の責任者となったタイミングです。

このポジションは、現在のクライアントパートナーやアソシエイトパートナーという役割に近いと思います。
このポジションでは、お客様の経営方針の理解をし、CxOとの関係構築を通して、「お客様の課題は何か」、それに対して、「IBMが提供できる価値とは何か」を考える必要がありました。
このポジションを経験することで、セールス領域からプロジェクト遂行まで責任を持つことができ、視野が広がりました。
こうした経験を通じて、現在のポジションである、全保険業界のお客様を理事として担当することになったと考えています。

現在のポジションでは、保険業界全体の課題、それに対して提案できるIBMの価値をしっかりと捉え、各アカウントチームと共にお客様対応をしています。
例え、お客様の規模の大きさが変わったとしても、IBMでお客様に提案・実践すべきことは変わらないと考えています。
IBMだからこそ、お客様の初期段階から、このような提案ができるとも感じていますね。

コロナ禍で、特に保険業界は大きな変革の波にさらされることになりました。
コロナ前とポストコロナで、保険業界のお客様への支援にはどのような変化がありましたか?

まず、大きなコロナ禍の影響として、保険の営業職員が対面でお客様にコンタクトできなくなりました。
保険業界は、営業職員を中心としたビジネスモデルなので、これは、トップラインを伸ばすための大きな弊害となりました。
一方で、未曾有の感染症拡大により、こうした感染症などを補償する商品をマーケットに提供することでトップラインを伸ばした保険会社もあります。
こうした事例を通して、改めて、情勢や市場に応じた、商品化までの時間の重要性を認識させられました。

ポストコロナでは、営業職員の良さとデジタルチャネル活用の両面を取り込んでいく必要があると考え、リアルとデジタルの融合を重要視するようになり、この点は大きな変化だと感じています。
また、顧客ニーズの多様化から、顧客一人一人にパーソナライズされたサービスの提供も重要です。
IBMでは、先進ITの活用によって変わる保険業界の姿を見据えながら、お客様の支援に取り組んでいます。

参照:
リアルとデジタルが一体化した世界における保険システム

保険業界の変革支援のために、IBMが支援している事例を教えてください。

保険会社のパーソナライズされたサービス提供の第一段階として、第一生命様の事例があります。

お客様一人一人に寄り添う、新たな顧客体験価値を提供する新たな接点やWebサイト「ミラシル」の構築を共創パートナーとして支援しました。
ご支援にあたり、「お客様の実現したいことは何か」を徹底的に深掘りしました。
実践に至っては、保険事業部以外の組織、カスタマー・トランスフォーメーションをリードするチームとも協業し、保険事業部だけでは発揮できない、IBMの価値訴求を実施しています。

IBMでは、私の所属するインダストリー中心のセクター組織(金融、保険、製造/流通、公共/通信メディア)とは別に、最新テクノロジーを活用したソリューションをリードできる組織が大きく3つ、ビジネス・トランスフォーメーション・サービス(BTS)、ハイブリッド・クラウド・サービス(HCS)、サイバー・セキュリティー・サービス(CSS)があります。
私のチームのような、業界知識を持った組織と最新テクノロジーを活用したソリューション軸で動く組織と掛け合わせることで、IBMの独創性を高めていると考えています。

参照:
第一生命のお客さま一人ひとりに寄り添う新たな顧客接点の構築を支援

保険業界変革の実現に至るまでには、決して容易ではない道のりだったかと思います。
お客様を支援する上で、どのような点が課題としてありましたか?

新たな領域へ進む際の課題は、これまでのビジネスの延長線上で物事を考えると、なかなか進まないことです。それは、ビジネスとシステムの両面において言えます。

まず、ビジネス面では、新しいビジネスモデルを実現するため、前述の通り、カスタマー・トランスフォーメーション事業をリードするチームと協業し、お客様の実現したい新しい顧客接点の在り方を提案しています。営業職員の未来の働くイメージを動画として提供することで、書面での説明だけではなく、お客様とのイメージの共有も明確になるからです。

一方、システム面では、既存システムとの連携が重要になります。
この点は、IBMが長年お客様の基幹システムを支えてきているという強みでもあります。
IBMでは、システムをどのように変えることでビジネス面で実現したい点を可能にするのかを提示できるからです。
今回は、一足飛びに全てを実現するのではなく、段階的に成功を積み上げるように計画をしています。

変革の実現には、新しいビジネスモデルイメージの共有と既存システム資産をどう変えていくべきかが重要であり、IBMは、その課題解決を示せるパートナーとしてお客様を支えています。

廣木さんのチームで活躍しているメンバーについて、お伺いします。
この数年で、パートナー(エグゼクティブ)として中途入社し、活躍している方々がいますが、どのようなスキル・経験を持った方がチームにはいらっしゃるのでしょうか。

当事業部パートナーは、対お客様のエグゼクティブに、様々な観点からIBMのケイパビリティーを示す責務を担っています。
保険事業部で活躍しているパートナー陣は、ビジネスとテクノロジー両輪での理解が深く、またそれをお客様に言語化できる方が多いです。

ビジネス面では、保険業界知識を有し、お客様の経営課題を捉え、解決策を導き出すロジカルシンキングが必要な一方で、テクノロジー面は、解決策検討のために、現行のシステム状況を把握し、最先端のテクノロジー活用の目利きをする必要があります。

テクノロジー分野は、IBM内に各々の専門家もいますので、しっかりその方々とコミュニケーションできるように、常にテクノロジースキルをアップデートしていくことも重要ですね。
そのためにも、最低限のテクニカルスキルは必要になってきます。

中途入社で新しく加わったパートナー陣には、所属長として、どのようなキャリア支援を行っていますか?

入社される方のこれまでのキャリアは様々です。
まずは、IBMでの業務をスムーズに遂行できるよう、入社後から6ヶ月は、定期的なキャッチアップを行います。
IBM社内のコミュニケーションツールとして、Slackがあるので、常にチャット機能でもチームに疑問点を聞けるようなフラットな環境であるのも特徴です。
特に、プロジェクトに参画すると、様々な組織と横断して案件を進めていくことになるので、社内のネットワーク構築の場を積極的に設けることで、円滑に進められるように支援もします。

また、IBMでは、Future Skilling Programと呼ばれる、リスキルおよびクロススキル向上を支援する研修制度があります。こうした制度を利用して、常に業務に必要なスキルや知見を継続的に学ぶことができます。

チームの雰囲気は、いかがですか?

金融業界のお客様特有の雰囲気として、他業種と比較すると、やはり少し堅いイメージになってしまうと思います。
それは、金融機関として長年社会を支え、顧客のお金を預かり、有事の際に保険金をお支払いするという、業務の特性上も背景にはあるように感じます。
私のチームは、そういったお客様を支援しているので、お客様に対しては、業界の特性に応じて活動する必要があります。
ただ、当事業部の雰囲気は、非常にフラットでオープンな組織です。
IBMは、昔から自由で闊達なカルチャーがありますので、役職関係なく、「さん」付けで呼び合う点なども例の1つです。

最後に、廣木さんが目指している保険・郵政グループ業界での未来を教えてください。

金融・保険サービスは、これまでの画一的なサービスから一人一人の顧客に合わせて、サービスを提供しようとしています。
そのために、当事業部では、最新のテクノロジーの動向を踏まえ、未来の保険業界がどのように変革していくのか、変革を支えるシステムはどうあるべきかを常に追求し、お客様と共創していきたいと考えています。

参照:
未来の保険が今ここに


インタビュー・執筆:小出 沙織
Global Executive Recruiting Lead, APAC & Japan
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