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EAMの力 ~Maximoで勝つ~:第5回 組立加工系製造業の典型例 自動車業界で勝つ

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日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 Tivoli事業部
兼 日本プラントメンテナンス協会 PE最新保全技術調査研究会 幹事 長南 剛一

はじめに

「Maximoで勝つ」も第5回目です。これまで初回「維持管理業務(=保全業務)の重要性」、第2回「市場が急速に拡大しているアフターサービ ス」、第3回「国内と海外のメンテナンス文化の違い」、第4回「環境を初めとした地球に優しい工場」をテーマに説明しました。今号は「組立加工系製造業」 の具体的な業種に焦点を絞って、今までの説明の適用を考えてみたいと思います。
組立系製造業を対象とした維持管理業務ですが、その生産プロダクト種類は非常に広範囲にわたります。主翼、胴体、コックピットを各々まったく異なる場所で 製作した後に運搬して、最終的に組立てる航空機。新興国であるBRICsやVISTAが主要生産地域となりつつある、テレビや洗濯機、エアコンなどのいわ ゆる白物家電。米国で発展し、今や世界中に生産拠点がある自動車産業。自動車を製造するためのプレス機などの生産機器。そのほかにも一品一様の造船や風 力、太陽光による発電装置など、組立加工系製造業の中には生産や保全文化がまったく異なる多様性があります。
このように多くの選択肢がある中から自動車産業を選択した理由は「まず、自動車工場内の保全業務が生産全体を支える上で大変重要な位置を占めていること」 「自動車生産設備ではアフターサービスが深くかかわっていること」「国内と海外に工場を持っていること」「自動車だけではないのですが環境への取組みを積 極的に行っていること」「米国や新興諸国の自動車産業に見るように業界全体が地球規模で大きく再編成されつつあること」「国内産業として世界をリードする 産業技術を持っていること」などから、今までのシリーズを踏襲しながら、業種に対してソリューションをどのように適用させるのか、具体的に理解しやすい業 種として自動車産業を選択しています。


1.自動車産業(組立加工系)の特徴

1.保全費用

表:1 <細分類業種別維持・更新投資額> 2007 保全実態調査

No. 業種 回答数 平均額 合計金額
1 石油・石炭 8 1,410 11,277
2 電力・ガス 3 1,120 3,360
3 鉄鋼 10 872 8,722
4 化学 36 753 27,109
5 パルプ・紙・紙製品 4 412 1,647
6 ゴム製品 4 383 1,530
7 非鉄金属 12 343 4,118
8 食品 17 257 4,367
9 輸送用機械部品 25 247 6,151
10 輸送用機械 12 239 2,869
11 窯業・土石 5 138 692
12 金属製品 15 133 1,989
13 電気機械 6 102 614
14 半導体・電子部品 7 100 698
15 その他製造業 18 91 1,635
16 一般機械 7 18 129
17 医薬品 未公開 未公開 未公開
18 繊維 未公開 未公開 未公開
19 精密機械 未公開 未公開 未公開
20 電子機器 未公開 未公開 未公開
21 その他 未公開 未公開 未公開
合計 196 433 84,908

単位:億円/工場(サイト)
出典:2007年度保全実態調査(日本プラントメンテナンス協会) 『細分類業種別維持・更新投資額』
※ 17(医薬品)から21(その他)の業種別数値は未公開ですが、全体の「回答数」「平均額」「合計金額」の各合計には含まれます。

【表:1】は社団法人日本プラントメンテナンス協会が2007年に実施した『細分類 業種別維持・更新投資額』の保全実態調査の結果です(IBMが業種ごとの「平均額」をキーに並び替え、組立系をブルー系統、プロセス系をグレー系統に着 色)。自動車は「10.輸送用機械」、自動車部品は「9.輸送用機械部品」に該当します。
この表によれば自動車産業では12工場が回答し、その維持管理にかかっている回答平均金額は年間239億円かかっていることになります。1企業として10 工場あればその金額は2,000億円を超える計算です。ひとつの工場には複数の工程や生産ラインがありますが、1工程または1ラインで年間おおよそ 10~20億円の保全費用が発生しているといわれていますので、妥当な金額であるといえます。

Maximoのような仕組みを導入することで、年間30%(企業全体で現行保全費用が2,000億円であると仮定して、年間600億円の削減効果を想定)の保全費用をリスクとともに削減できると想定したときに費用対効果の分岐点はどの辺になるでしょうか。

2.生産技術部門で設備保全を管理
プロセス系製造業では「生産管理」と「保全管理」が各々独立していることが多いのですが、自動車工場においては、実際の保全作業は「保全部門」が行い、 「生産管理」部門で「生産標準」と「工務(保全)標準」を策定管理しているところが多いようです。特に自動車製造では生産と保全にかかわるグローバル標準 を標榜している点が特徴のひとつです。
これは「原価低減」、「計画生産の遂行」および「品質の確保」という自動車工場の生産系の永遠の課題に対する「カンバン」「JIT(Just In Time)」「1個流し」などの生産標準手法の開発とともに、「保全業務が生産活動を担保する重要な業務」という認識の表れといえます。ちなみに【第3回 の図表2】で、次のように記述しています。

「近年、日本企業はどこも合理化により要員が減少してきていることと、グローバル企業では海外生産にあたって安定生産を確立する必要から、従来の『暗黙知』を人づてに継承するのではなく、仕組みとして欧米流の考え方を導入する国内企業が出てきています」

この図表はエリアごとの保全文化、考え方の違いを説明していますが、特に日本国内の「ベテランの大量退職(人材の退職に伴う保全ノウハウの消失)」 とともに「保全技術、技能継承の困難さ」の課題の説明をしています。第1回「1.国内製造業の一般的な課題」の1つが「人材の退職に伴う保全ノウハウの消 失」に対応し切れていない「人材育成、技能継承」の課題です。上記記述で「欧米流の考え方を導入する国内企業」が、まさに自動車業界が先鞭をつけ、他業界 が追従する構図になっています。上記述を補足しますと、生産活動で利益を最大にすることは国内、海外共通の目的ですが、そこに至る過程、すなわち保全環境 や文化がエリアによって異なるということです。生産環境が変われば過程(=保全の仕組み)を変更する必要があることに気づいたためです。具体的には「保全 技術・技能の継承、人材育成」の方法、「明確な作業指示を出すため、およびPDCAを確実にまわす【第1回の図4、図5】」そのためのワークフローの重要 性、さらに「保全品質の確保」のための保全工程(タスク)の明確化【第3回の図表1】など、国内生産現場が海外現場から取り入れることで効果を見込めると の認識があるためです。裏を返せば「国内現場の変化の方向性が欧米化に向かっている」ことであり、国内現場の変化に対応できていない状況が、未だに改善箇 所として多々残っているように思えます。

自動車業界では生産に関して世界をリードする生産方法論を開発してきた割には、保全業務での改善箇所や方法論はまだまだ「伸びしろ」があるように思 えます。前工程、後工程との連携による工程間最適化、その延長にある全工程の最適化、または保全情報の分散化や部門内管理による情報流通の阻害、システム 的な生産と保全のKPI連携などが「伸びしろ」該当するのではないでしょうか。

3.共通製品の生産工場が世界に展開(可視化)
第3回の「はじめに」の「最近の課題(新たに対応が必要な課題)」の中で「Global対応」を考察しました。国内と海外の保全文化の相違点概略は【図表2】をご参照ください。
Global対応の課題点として、下記を取り上げました。

図表:2 国内保全と海外との相違点
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  • プロダクト品質が国内と海外で全く異なる
  • 国内と海外で管理粒度が異なる
  • 海外の生産状況が可視化できていない、数値の裏づけが取れない
  • 海外含む工場に対して本社からのガバナンスが効かない

自動車生産工程は生産品目が共通であればサイトによる違いは殆どありません。工程によっては同じ生産設備の経年度合が異なるのみ、ということもあり ます。同じ生産設備を使用して、同じ生産標準で、同じ製品を生産するのに、結果的に不良品質レベルがサイトにより大きな乖離を見ることは珍しくありませ ん。考えられる相違点は「生産オペレーターの技術」「保全オペレーターの技術」「保全作業工程、使用部材などの管理粒度」「生産設備の経年劣化」「生産設 備の設置環境」「エリアによる法規制の違い」などが考えられます。

これらは全て「可視化」の問題です。生産や保全のオペレーター技術の評価、保全作業における明確な作業指示と作業標準をベースとしたワークフローに よる作業評価とクロージング、設備台帳による経年劣化の可視化、制約条件の可視化などです。これらの可視化を実現し、適切なコントロール(対応や指導)が できるとすれば、サイトごとの生産品質のばらつきや突発保全を減少させることができるのではないでしょうか。と、同時に国内本社への現場からの要望として 「オペレーター増員要求」がありますが、オペレーターの人数が不足しているのか、スキルを向上させることで対処できるのか適格な対応(コントロール)をと ることができるようになります。

4. 計画外の緊急保全費用と生産計画の変更などに伴う費用
計画通りの生産活動が至上命題である自動車生産においては、突発保全は保全費用の問題ばかりではなく生産計画の見直し調整など大きな影響を与えることにな ります。ここで、「計画外の緊急保全費」の構成比(全保全費用に占める計画外保全費用の割合)の統計を先の「2007年保全実態調査(日本プラントメンテ ナンス協会)」から抜粋して紹介します。ここでの「計画外保全」とは突発保全のうち緊急性を要する保全案件だけを対象としているため、突発保全全体とは一 線を画す数値です。

【計画外の緊急保全費用構成比(業種別)】
加工組立型 (n = 100) 24.9%
装置産業型 (n = 122) 13.2%

自動車生産を含む加工組立型と装置産業(プロセス系製造業)との格差が思った以上に大きいことに驚く結果です。ある国内自動車工場では突発保全によるライ ンの停止時間は最長5分間と決められており、現場の創意工夫でしょうか、あらかじめ不具合が起こりそうな箇所に保全要員を配置するという話もお聞きしたこ とがあります。計画外の不具合に対する自動車生産業界の考え方を肌で感じられたでしょうか。

【計画外の緊急保全費用構成比(従業員規模別)】
100人未満  (n = 36) 26.5%
500人未満  (n = 109) 18.8%
1,000人未満 (n = 49) 16.5%
1,000人以上 (n = 39) 14.9%

【計画外の緊急保全費用構成比(売上規模別)】
100億円未満  (n = 62) 23.9%
500億円未満  (n = 80) 18.6%
1,000億円未満 (n = 23) 17.9%
1,000億円以上 (n = 42) 13.6%

上記は「従業員規模」「売上規模」別の計画外緊急保全の割合ですが、どちらもきれいに反比例して規模が大きいほど計画外の緊急保全費用の割合が少ない結果 が出ています。オペレータースキルや予防保全への取組などが考えられますが、この資料だけでは読み取ることはできません。

2.自動車業界に求められるシステム要件とIBM Maximoによる対応

国内自動車業界の位置づけとしては、斜陽化する米国と台頭しつつある新興国に囲まれながらも電気自動車に代表される新技術で、今もなお世界をリードしているといえるでしょう。
しかしながら世界をリードしながらも、国内ではさらに個別最適から工程間最適、部門間最適、工場、Global全展開と対象を拡大するほど基礎データの母 体が大きくなり精緻な分析を実現することができます。たとえばRBM(※1)では1,000以上のサンプルが最低必要になります。自動車生産の設備オー ナーでは1,000以上管理する同種設備は機種がかなり限定されます。しかしながら、設備ベンダーと連携するビジネスマッチングにより、例えばA社製のプ レス機がX社、Y社、Z社などグローバルで1,000台の導入実績があればRBMで言うところの「どこが故障してもおかしくない偶発故障期」に対応しやす くなるのです。RBM詳細は次回のプロセス系製造業でも重要な内容となるため次回に説明いたします。ここに「設備のオーナーの可(べき)動率向上」と「ベ ンダー設備の信頼性向上」のポイントで双方の利益の一致を見ることができるのです【第2回の図:1】。
保全業務の基礎データ収集においてはデータベースの一元化という大きな要因もありますが、現在では必ずしも物理的に一元的に統一する必要はなく、セキュリ ティを伴うデータベース連携やクラウドコンピューティングなどお客様の現行システムを活用しながら、バックグラウンドでデータ連携を行うこと、規模や対象 工程を踏まえた段階導入など、幅広い選択肢から適格な一元管理の方法を選択できるようになっています。特に前出のプレスに関しては稼動回数による劣化パ ターンがベンダー側で解明されていることから、ベンダーとオーナーをオンラインで連携することで、可(べき)動率を落とさないための強力な手段の一つとな ります。他方、プレスの稼動回数は同業他社に対して厳秘事項にもなっていますからセキュリティを伴ったオンラインとデータの取扱いが大変重要になります。
ここまで見てきた自動車業界の保全業務から以下の要件が導き出せます。

1. PDCAをまわすワークフロー
ワークフローが回らない現場課題を抱えている工場は少なくありませんが、IBM Maximoでは標準機能でワークフローを持ち、行うべきアクションを放置されていないか、一連の業務を止めるボトルネックまでチェックすることができま す。このワークフローの考え方が同じ自動車生産企業であっても国内工場と海外工場で全く異なります。国内では作業終われば全てよし、という結果重視型であ りプロセスはさほど重要視されません。たとえマニュアルがなくとも、言葉が足りなくても暗黙の了解があり、誰が行っても期待する結果を出していたためと思 われます。海外では教育の格差や人種・言語の違いなどにより、作業内容を工程ごとに仕様部材や作業時間を明確に伝え、作業後のチェックを行うことで保全レ ベルを維持していたためです。コンプライアンス重視の時代に国内でもワークフローはますます重要性が高くなっています。IBM Maximoのワークフローはユーザーが自由に設定や変更作業を行うことができるテーラリング機能を標準装備しています。

2. 国際化(グローバル対応)

マルチサイト機能 【図表:3】img_03l
異なるサイトで異なる生産品であっても「同一メトリクス」「同一データベース」「同一管理プロセス」「同一評価指標(KPI)」により一元的に管理できるマルチサイト対応機能です。

図表:4 Maximo国際化機能(多言語サポート)
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マルチ言語対応ですが、同時にマルチカレンシー(通貨)機能を合わせてもっています。為替レートと対応期間を入力することで他国通貨に対応することができます。

データの他国語言語対応 【図表:5】
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右上は日本語用ブラウザーでログインし資産番号<11430>を入力すると『遠心ポンプ・・・』と表示され ます。英語用ブラウザーでログインし資産番号<11430>を入力すると最初は『遠心ポンプ・・・』と表示されますが、対応するデータ 『Centrifugal Pump・・・』をマニュアル更新すると次回以降は対応する英語版データで表示されます。『資産番号』を『Asset』というように画面項目だけを他国語 対応するのではなく、データ値もまた他国語に対応することができます。

 

3. 一元管理

  • 自社工場の一元管理
    国内のみ一元管理している自動業界の保全事例はあるのですが、海外も含めたGlobalの最適化を実現している国内企 業はなかなか見当たりません。しかし、海外ではMaximoを使ったGlobal展開事例が既にあります(【図表:7】のC社様ほか)。対象が拡大するほ ど、一般的には導入効果は高くなる傾向があります。国内自動車産業に対しての「伸びしろ」はここにも見られるのではないでしょうか。
  • パーツ業者、設備ベンダーを含む最適化
    上記プレス機の説明をご参照ください。

4. 作業の可視化による保全品質の確保
生産品目の品質にかかわる問題です。「国内は可視化されているが、海外の保全作業が見えない」とは良くお聞きする代表的な課題ですが、生産品質にかかわる 問題として簡単に一台数億円の生産設備そのものをリプレースする例は少なくありません。Maximoでは作業の各工程(タスク)ごとに作業内容、作業者資 格、使用する部材、ツール、各コスト、作業時間、潜在する危険とそのプロテクトなどを計画と実績で管理します【3回目の図表:1】。従って、作業内容の評 価項目、すなわち保全品質を管理することができるのです

5. 設備台帳による経年劣化の可視化
設備台帳で最も重要な要素の一つは網羅性です。そのための一元管理の必要性があるわけです。先のプレス機におけるRBMにて触れましたが詳細は次回のプロセス系製造業で説明予定です。

3. 事例

図表:6 Maximo 自動車業界導入実績抜粋

お客様 導入の目的 改善事項
自動車生産 A社様
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全世界に製造・販売拠点を展開するグローバル企業。
当初はメンテナンスシステムも戦略もないグローバル企業であった。複数のシステム、プラットホーム、コミュニケーションを妨げた誤った方法論や標準化に依存しいていた。
生産コストの削減
生産品質の向上
メンテナンスシステムの導入、活用の実現
作業の標準化のための正しい基準の策定
連携する業務間のプラットフォームの異なる複数システム連携による作業自動化を実現IBM Maximoに基づく新しいソリューションは取引先、ラインマネージャー、および定期保全の計画立案から活用を始め、現在、およそ8000から2万6000のユーザーに主要8拠点を含みグローバルで使用されています。
自動車生産 B社様
(UK工場)
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完成車プラントとエンジン製造プラントが対象生産方法論は持っているがシステムが追いついていない状態であった。劇的なコスト削減、生産ラインの設備稼働率向上を実現できることがシステム選定条件であった。 導入効果

  1. プラントダウンタイムの減少
  2. 予備品在庫管理オペレーションの最適化
  3. オペレーションコストの削減

チャレンジ
さらに現在は生産ラインに関するコンプレスエア、ハイドロなどのユーティリティ管理にチャレンジ

※ 本ページの写真と社名は一致するものではありません。
自動車におけるオーナー企業の取組み事例として【図表:6】および【図表:7】を添付します。この中には欧米企業、国内企業、新興勢力のすべてが含まれて います。【図表:6】のC社は自動車においては新興勢力に分類され、企業一丸となってブランド化を推進する強力なツールとしてMaximoを活用していま す。また、設備ベンダーの事例としては【2回目の導入事例】で設備オーナーV社に対するベンダーC社、C社のグループ企業で修理専門会社であるW社の事例 をご参照ください。

図表:7 Maximo 自動車業界導入実績抜粋

お客様 導入の目的 改善事項
自動車生産 C社様
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グローバルに生産拠点を持つ自動車製造会社。
昨今の厳しい経営環境で生き残るため、自動車産業の環境の変化に柔軟に対応できるITソリューションを購入し、既存のアプリケーションを統合して、世界的なネットワークで事業効率を高める経営革新が求められた。革新的なITソリューションのねらい

  1. 最適なビジネスプロセスを持つ情報システムを実行することによるグローバルなオペレーション効率の向上。
  2. リアルタイム情報処理と分析により、迅速な意思決定サポート・システムの構築。
  3. 活動の可視性と透明性の改善。
  4. TCOを削減できるモデルを確立。

新ライン稼動時のITソリューションのねらい

  1. 立ち上げ時の関連文書・関連設備履歴・関連設備の廃棄処理、などの体系立てた管理
  2. 生産技術と保全のリンク(保全履歴の設計へのフィードバック)
  3. 資材購買と資材管理の効率化(ランダムかつ予期せぬ故障に対応したRCMの導入)
  4. 生産設備・保全に関する全社的リアルタイム環境
Maximo選定理由

  • グローバルTOP10のうち7社による導入実績。
  • 自動車産業の中のグローバルなシェアがNo1。
  • 過去30年間以上立証されたソリューションとして複数業種で、高い評価を得ている。
  • 設備管理者の業務を深く理解した機能の豊富さ。

導入効果

  1. 新ライン導入時の管理レベル・生産性の向上
  2. 計画保全の割合の向上
  3. 資材購買や資材管理の効率性の向上
  4. TCOの削減
自動車生産 D社様 設備トラブルが頻発し、生産性を大幅に下げていた。
設備保証の改革を行うことが生き残りのための重要課題。ねらい

  • 生産パフォーマンスに関する重要設備の定義
  • 故障確立の把握、設備ごとの要員・部品などの配置の把握により最適なバリューストリームを再構築
取り組み

  • 設備価値と故障確立で、資源を再配分

導入効果

  1. 導入後3年間で370万ドル以上のコスト削減
  2. 投資を2年で回収
  3. 生産に影響のある設備トラブルの激減

※ 本ページの写真と社名は一致するものではありません。

以上、さらに詳細な説明などのご要望がございましたら、ご遠慮なくご連絡ください。
※ 1RBM:リスクベース保全:保全優先度を[損傷発生確率]と[想定被害]の積で作業緊急度を表現できる保全形態で、リスクの大きい保全案件から優先的に 予算を配分することができる。当初RBMの「M」はMaintenanceであったが現在は設備のライフサイクル全体のリスクを管理する意味で Managementに変化している。

一口メモ

自動車が大量生産されて100年、発祥の地である米国企業が苦戦しており、国内では減税施策などの政策があるが、なお苦しい状況に変わりはありませ ん。さらに新興国がすぐそこまで追いかけてきている状況でもあります。現在の世界的な傾向として「地球温暖化阻止」があり、化石燃料から電気への転換に世 界中の自動車メーカーがしのぎを削っており、国内メーカーも数千億円規模の開発費を投入しています。電気自動車への転換は従来の自動車構成部品数、約3万 点から1万点に減少することから、新興国の参入障壁がさらに低くなる予測があります。
このような産業全体の転換期に国際的な優位性を保つためのキーワードとして「高度化された部品」「加工点と変化点の深堀」「管理と技術」「フレキシブル対 応への仕組みと手法」をメンテナンスに深い造詣のある自動車部品業界の会長である方から紹介されました。どれもが保全業務と切り離せないキーワードです。 また同時に「考える人造り」「行動する人造り」を今年の重点施策に上げられておりました。
昨今の自動車業界に感じることは、かのダーウィンの言葉です。「強いもの、大きいものが生き残るのではない。変化に対応できるものだけが生き残れるのだ」
舵取りの難しい時代ですが、読者諸兄および各企業にとりまして良い方向へ進む年であることを祈念いたします。

 

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