Data Science and AI
【潜入レポ】開発メンバーが語るWatson Discovery最前線
2020年03月10日
カテゴリー Data Science and AI | IBM Watson Blog
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今年最初のIBM社内セミナー “Technology at a glance”が開催されました。研究開発の旬な技術情報を現場に向けてタイムリーかつコンパクトに伝えるこのセミナー、今回のテーマは「Watson Discovery」。今回も盛りだくさんな内容だったので、みなさんに潜入レポをお届けします。
講師は東京ソフトウェア&システム開発研究所の村上明子、守屋豊の2名。Watson Discoveryの開発メンバーです。
Watson Discoveryは昨年、日本IBMの研究開発部門が開発をリードしてきたWatson Explorer (以下、WEX) と統合されてクラウド・AI時代のための検索・テキスト分析ソフトウェアとしてパワーアップした模様。どのような進化を遂げたのでしょうか。期待が膨らみます。
まず守屋より調査会社のデータを示しながら、「IBMはインサイト・エンジンのリーダーと位置付けられている」との紹介がありました。この評価は一朝一夕で得られたものではなく、IBMの東京基礎研究所が1997年に開発したテキストマイニング技術であるTAKMI (Text Analytics and Knowledge Mining) や、2005年に開発された検索エンジンであるOmniFindをルーツとして、20年以上に渡って研究開発を続けてきた成果である、とのこと。講師の村上はTAKMIの、守屋はOmniFindの研究開発にそれぞれ携わっていたそうです。ちなみにTAKMIは2011年IBM100周年記念で100のイノベーションの一つに選ばれ、クイズ番組ジョパディに登場したIBM Watsonのベースの技術として使われています。
TAKMI: https://www.ibm.com/ibm/history/ibm100/jp/ja/icons/takmi/
気になるWEXとの統合は、オンプレミス・パブリック・プライベートクラウドで同じWatson製品を提供するというIBMのクラウド方針 “Watson Anywhere”のもと実現したのだとか。クラウドとオンプレで「コグニティブな洞察エンジン」だったWatson Discovery ServiceとWEXが2019年6月にIBM Watson Discovery for IBM Cloud Pak for Data (以下、Watson Discovery )として統合され、11月にはWEXの新しい知⾒獲得のための分析や意思決定をコグニティブにアシストするインタラクティブなユーザーインターフェース Content Miner技術も追加されました。最新の機能や言語サポートをシステム環境にとらわれない互換性とスムーズ移行もできる、まさに最強クラスのパワーアップになっています。
続いて「検索・テキストマイニング・プロセスの自動化」のユースケースでWatson Discoveryの強みが紹介されました。
「検索」の強みは2つ。自然言語による問い合わせが可能で、機械学習を使って関連度をチューニングできること、そして文書構造の意味も機械学習できること。例えば『排気口からガタガタ音がする。どうやって修理できるか?』のように普通の言葉で問いかければ、最適な回答を含んだ文書をランキング形式で返してくれる。正確なキーワードがなくても目的にたどり着けるって、すごいことですよね。しかもチューニングまでできるため、どんどん賢くできます。
「テキストマイニング」の強みは何と言っても、現場のビジネスユーザーがユーザー・インターフェースを使って簡単に知見を見つけることができること。優れたレコメンデーション機能が専門的なデータ分析の知識がなくてもアナリストのように知見獲得に導いてくれます。現場で実装できることによって、意思決定のスピードも格段にあがりますね。
Watson Discoveryは、判断の基準になるキーワードや判断実績などを事前に学習させることで、人手で行なっていた業務プロセスを自動化することもできます。GUIから簡単に辞書も作れるのでカスタマイズもバッチリです。
Watson Discoveryに搭載された自然言語解析のエンジンは、最新のテクノロジーが採用されているとのこと。日本語ももちろんバッチリ。日本の開発チームが世界のインサイト・エンジン市場をリードしているってすごいです。今後のWatson Discoveryにますます期待が膨みました。次回の潜入レポにもご期待ください。
前回の「tech at a glance」潜入レポはこちら:
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