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第16回【開催レポート】『コンテナ共創センター勉強会〜Red Hatの考えるエンタープライズ向けのKubernetes〜』
2022年07月26日
カテゴリー IBM Cloud Blog | IBM Partner Ecosystem
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こんにちは、日本IBM クラウドテクニカルセールスの上原です。
本記事では6月29日に開催された第14回コンテナ共創センター勉強会の様子をご紹介します。
今回で2回目の試みとなるハイブリッド形式で開催しました。会場はRed Hat社の恵比寿本社をお借りして現地から生中継でお送りしました。現地ではJTP株式会社の方々にもご参加いただきました。
勉強会のテーマは、『Red Hatの考えるエンタープライズ向けのKubernetes』。
アジェンダは以下の通りです。
本日のみどころ | Red Hat 花田 祐樹様 |
運用者にやさしいOpenShift | Red Hat 宇都宮 卓也様 |
OpenShiftとStorage | Red Hat 花田 祐樹様 |
OpenShiftマスターに聞く「どうやって勉強していますか?」 | Red Hat 花田 祐樹様(司会) Red Hat 宇都宮 卓也様 Red Hat森須 高志様 IBM 佐藤 光太 |
クロージング+(通年企画)IBMの新人とCKAを取得しよう! | IBM 中山 文恵 |
運用者にやさしいOpenShift
レッドハット株式会社
ソリューションアーキテクト
宇都宮様
このセッションでは、『運用者にやさしいOpenShift』ということで、Kubernetesと比較して、Red Hat OpenShiftはコンテナ運用におけるプロセスが簡略化するという説明でした。具体的には、コンテナの運用では、主に下記の運用項目を検討する必要があるといいます。
- モニタリング
- セキュリティ
- トラブルシューティング
- アップグレード
- ミドルウェア管理
- キャパシティ管理
- バックアップ
コンテナ環境でない従来システムの運用項目とあまり変わらないが、コンテナ環境になることで、難易度が上がると感じる人が多くなるとのことです。これはKubernetesそのものの仕組みが複雑なので、運用の仕組みも複雑になっているためです。上記のうち、主に「モニタリング」「アップグレード」「ミドルウェア管理」の3つを詳しくご説明してくださいました。
結論として宇都宮さんが考えるOpenShiftの運用する人へのやさしさは、コンテナを運用する上で使うツールが決まっていることです。クラウド・ネイティブ環境では無数のソフトウェアツールがあり、その中から自社のコンテナ環境に最適なツールを選択する必要がありますが、OpenShiftでは使いやすいツールをデフォルトで提供していることによって、運用の難易度を下げることができます。
コンテナの特性に応じて、OpenShiftの各機能を最大限活用し、運用の効率化、およびDevOpsのさらなる推進をサポートしていくと語ってくださいました。
詳しいご説明はセッションスライドにありますので、ぜひご覧ください。
OpenShiftとStorage
レッドハット株式会社
テクニカルセールス
花田様
このセッションでは、Red Hat花田様によるOpenShiftとStorageの関係についてのお話でした。
冒頭はCloud Nativeとは?から始まりました。Kubernetesの世界では「スケーラブルなアプリケーションを構築及び実行するための技術」ということで、Kubernetes=スケーラブルとのことです。
Kubernetesの機能として、仮想ネットワーク機能や、ロードバランサー、自動スケールアウトなどがあるが、このスケールアウトがKubernetesにぴったりなところだと言います。エンタープライズのアプリケーションでは通常スケールアウトは難しく、HTTPサーバやアプリケーションサーバはスケーラブルにできるが、データやストレージは簡単にスケールアウトできないと言います。実際のアーキテクチャや提案ではどのようにしているのか、3つのCaseをご紹介いただきました。
その後はOpenShiftのストレージに関する最新情報のお話でした。
- In-treeからCSI (Container Storage Interface)へ
- Poison Pill Operator:Node をモニタリングしているシステムからCustom Resourceを通じて通知を受け取り、UnhealthyなNodeをリブートする機能が出てきている
最後はバックアップについてです。バックアップの方法やバックアップするデータは運用の仕方に合わせて適切に運用していく必要があります。
バックアップにおいて重要なことは整合性で、データはビジネスにおいて最も重要であるため適切にバックアップを取りましょうと締めくくられていました。
詳しいご説明はセッションスライドにありますので、ぜひご覧ください。
特別企画 ミニコーナー OpenShiftマスターに聞く「どうやって勉強していますか?」
司会のRed Hat 花田様が3名のパネラー(OpenShiftマスター)に対してインタビューする形式で行われました。
司会:Red Hat 花田様
パネラー:Red Hat 宇都宮様、Red Hat 森須様、IBM 佐藤
花田氏: OpenShift/Kubernetesの勉強はすごく大変だと思うので、ミニコーナーを設けました。私の場合、勉強は仕事をしていく中で学んでいます。皆様はいかがでしょうか?
質問1. 目標を立てて勉強していますか?それとも仕事をしていく中で学んでいますか?
佐藤氏: 私の場合はどちらかというと業務からスタートしていくという形です。CKAとCKADを持っていますが、実業務で触ってみて、その後に試験勉強という形です。今まさにCKSを受けようとしていて、普段の業務よりも専門性が高いので、試験専門の勉強をしていこうと思っています。
宇都宮氏: 目標を立てて勉強する性格ではないので、完全に業務の中で求められることや、調べないといけないこと、説明をしなくてはいけないことを都度勉強します。それらが積み重なり、最終的に理解と結びついて、血となり肉となりというふうにやってきました。効率はあまり良くないかもしれません。
森須氏: このメンバーで1番OpenShift歴が短いです。昨年7月にRed Hatに入社するまでは、Kubernetesは知っていましたが全くOpenShiftのことは知りませんでした。Red Hatに入社して1番困ったことが、製品ドキュメントによっては分かりにくいものがあることです。簡単に理解できるための資料として、Red Hatの赤帽エンジニアブログというものがあります。これを見ると、製品ドキュメントでは分かりづらいところが分かりやすく書いてあって、勉強を始めた方々にはオススメです。
花田氏: 私はKubernetesについてはメモを細かくとらないと分からなくて、かなり細かくメモをしています。
質問2. 日々の勉強の仕方やメモの取り方で工夫していることはありますか?
佐藤氏:試験を受けるときのメモに関しては、試験のアジェンダに合わせて項目ごとにコマンドをスニペットの形でメモすることによって、あとから逆引きで見られるようにしています。
森須氏:普段みなさんが触らないような技術情報にアクセスすることが非常に多いです。よく分からないことを調べようとするとたいていGitHubに行き着きます。そこでの情報をメモしておかないと後で見つからない可能性があるので、取った情報は分かりやすく、まとめてメモしておくようにしています。
宇都宮氏:ひたすらGoogle Docsに書いていきます。コマンドラインの出力からGitHubなどのリンクといった情報を全部貼っていきます。さらにGUIのスクショなどを貼っていき、後で見返した時に作業の記憶を思い出せるようにしています。
ミニコーナー:IBMの2年目とCKAを取得しよう!
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部
クラウドプラットフォーム・テクニカルセールス
中山 文恵
こちらは、日本IBMの2年目社員の中山さんがKubernetes技術者認定であるCKAの取得を目指して、学習している内容を共有する通年企画です。
第4回となる今回は、『ローリングアップデートとロールバック』というテーマでの発表でした。
今回は下記の手順でのデモでした。
- guestbook:v1イメージを使用してDeploymentを作成し、アプリケーションを公開
- イメージをguestbook:v2に変更し、ローリングアップデートを確認
- イメージをguestbook:v1に戻し、ロールバックを確認
ローリングアップデートとは、Podインスタンスを新しいインスタンスで段階的にアップデートすることで、ダウンタイムなしでDeploymentをアップデートすることができます。
ロールバックとは、コンテナを前の状態に戻すことです。
今回のデモでは、実際にローリングアップデートとロールバックの様子をデモで見ることができました。
以上、第14回コンテナ共創センター勉強会の開催レポートでした。
登壇いただいた皆様、また素敵な会場を提供くださったRed Hat様には改めて感謝申し上げます。
勉強会は毎月最終水曜日 18時から開催していますので、ぜひご参加ください。
また、コンテナ共創センターへの参加は公式サイトよりお申し込みいただけます。参加費用は無料です。多くの企業のご応募お待ちしております。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
上原 悠希
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部
クラウドプラットフォーム・テクニカルセールス
2020年日本IBM クレジット入社。大手製造業向けにファイナンシングの営業を経験。2022年より日本IBMに転籍し、クラウドのテクニカルセールスとして企業のクラウド活用を推進。自身もIaaSからクラウドネイティブまで技術スキルを習得に向けて奮闘中。
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