IBM クラウド・ビジョン
運用効率化のために移行時から準備を! 多彩なソリューションでハイブリッド・マルチクラウド環境の運用を支援
2020年08月16日
カテゴリー IBM クラウド・ビジョン | IT部門向け | クラウド管理
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運用管理こそ、クラウドのメリットが最も発揮されるフェーズかもしれません。ただし、その利点を最大限に引き出すためには、クラウドへの移行時に最適なソリューションを選び、必要な設計や仕組みを入れ込んでおくことが肝心です。IBMは、ハイブリッド・マルチクラウド環境を一元管理するためのプラットフォームをはじめ、多彩なソリューションとサービスでお客様のクラウド運用管理の全てをご支援しています。
志賀 徹
日本アイ・ビー・エム
IBMオープン・クラウド・センター
戦略クラウド推進
総括部長
インフラ領域のクラウド・ビジネス推進におけるコンサルティングとソリューション策定を担当。さまざまな業界に対してクラウドを活用したシステムの提供を経験しており、それに基づく先進的なソリューションの策定や提案の実績も豊富。お客様のDXを推進するための効果的なクラウド活用に焦点を当てた講演なども行っている。
清水 真己
日本アイ・ビー・エム
IBMオープン・クラウド・センター
戦略クラウド推進
クラウドを中心とするソリューションの策定を担当。さまざまな業界に対してプライベート・クラウドの構築やパブリック・クラウドを活用したシステムを提案。アプリケーション開発や運用支援業務、インフラ構築などの多彩な経験を生かし、お客様のビジネス課題とIT課題を解決するソリューションの提案を通じてビジネス変革をご支援している。
クラウドのメリットを生かすなら“クラウドらしい運用”を
これからクラウドの本格的な導入を始めるIT部門の皆様にぜひ心掛けていただきたいことの1つは、「クラウドをクラウドらしく使う」ことです。
例えば、クラウドのメリットとして“コスト削減”を追求するのなら、使っていないリソースを探してオフにしたり、使用していないサーバーを回収したりといった施策を運用の中にしっかりと組み込んでいきたいところです。設計に関しても、最初から大きく構えるのではなく、小さく始めつつ必要に応じて大きくできるような設計にするといった工夫が求められます。
構築や運用のアプローチも変わるはずです。これまで、一度作ったものは障害が起きない限り手を入れないのが普通でしたが、クラウドでは拡張や縮退などの変化が頻繁に起こるため、それに対応できる設計や自動化などの仕組みが必要になります。
また、今後の企業IT環境はオンプレミスとクラウドが混在し、クラウドに関しては複数ベンダーのサービスを使い分けたり、組み合わせたりして利用するのが当たり前になります。このハイブリッド・マルチクラウド環境を前提にして運用の仕組みや手法を整えることも、クラウドの運用管理を効率化していくうえで不可欠となります。
クラウド活用の全ライフサイクルをカバーする管理プラットフォーム「MCMP」
IBMは、ハイブリッド・マルチクラウド環境の運用管理を効率化し、クラウド活用のメリットを最大化するための各種ソリューションを提供しています。その1つが、「マルチクラウド運用管理プラットフォーム(MCMP:Multicloud Management Platform)」です。
MCMPの最大の特徴は、1つのプラットフォームでクラウドの利用にかかわる社内のさまざまな組織や担当者の業務に特化した機能を提供している点です。それらの機能は、次の4つのコンソールで提供されます。
- Consumptionコンソール:クラウド・ベンダー各社のサービス/ソリューションを探し、比較、構成、購入などを行うためのコンソール。社内でクラウドの活用を推進するIT企画部門が利用する
- DevOpsコンソール:DevOpsのライフサイクルにおける開発、テスト、導入、実行の各フェーズの作業を支援する。任意のクラウドに対するKubernetesクラスターの導入/管理の機能も備える。主にアプリケーション開発部門が利用する
- Operationsコンソール:クラウド・サービスやアプリケーションなどの観点で稼働状況を管理/分析するための機能を提供する。Kubernetesクラスターの管理/分析にも対応。主にシステム運用部門が利用する
- Governanceコンソール:社内のクラウド・サービスの利用状況と現在の所要コスト、指定した期間の予測コストなどを一元的に可視化する。主にCIOや財務部門などのコスト管理担当者が利用する
お客様は、これらのコンソールの中から必要なものを選択して利用することができます。例えば、「まずはクラウドの利用状況とコストを可視化することから始めたい」という場合はGovernanceコンソールをご活用いただくといった具合です。
また、Consumptionコンソールを使い、自社で利用するクラウド・サービスのカタログを作ることができます。このカタログにKubernetesでコンテナ化して必要なセキュリティー施策を適用したインフラを登録し、アプリケーション開発部門にはそこから選択して使ってもらうようにすることで、クラウド環境の標準化やガバナンス施策を推進することができます。
さらに、MCMPはIBM Cloudのほか、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platformなど主要なクラウド・サービスに対応しており、各社のクラウド管理ツールと連携させることができます。運用管理支援AIとして「AIOps」が組み込まれており、「システムのこの部分に障害が多い」「この作業の後に障害が起きやすい」「この部分を自動化すると運用を効率化できる」といったアドバイスを得ることもできます。
クラウド管理業務の委託サービス、運用改革を支援するコンサルティング・サービスも用意
MCMPはサービス(SaaS)としてご提供するものですが、オンプレミスと同様に自社のクラウド環境に管理ツールを導入して使いたいというケースもあるでしょう。その場合は「IBM Cloud Pak for Multicloud Management」をご利用いただけます。これはKubernetesをベースにしたエンタープライズ対応のコンテナ・プラットフォームである「Red Hat OpenShift」上に、オープンソース・ソフトウェアやIBMの運用管理ツールをパッケージングした製品であり、クラウドやオンプレミスの環境にインストールし、インフラやコンテナ、アプリケーションなどの管理を一元的に行うことができます。
また、近頃は「他社サービスも含めてパブリック・クラウドの管理を全てIBMに任せたい」というご要望をいただくケースが増えています。そうしたお客様にご提供しているのが「マルチクラウド運用管理サービス(MCMS:Multicloud Management Services)」です。
MCMSはお客様の環境をお預かりする一般的なITアウトソーシングとは異なり、必要なサービスをリモートでご提供するというものです。選択できるサービスには、大きく次の3つがあります。
- 監視サービス:オンプレミスやクラウドのOSやストレージ、ネットワーク機器、ミドルウェア、データベースなどの稼働状況を監視し、障害検知時などにアラートを通知する
- 管理サービス:監視サービスに加えて、オンプレミスやクラウドのOSやストレージ、ネットワーク機器、ミドルウェア、データベースなどの障害回復、パッチ適用などを行う
- クラウド管理サービス:セルフサービス・ポータルやカタログ・サイトの管理/提供などを行う
各サービスは、MCMS標準として用意したシステム管理ツールによってご提供しますが、お客様が指定されるツールへの対応も順次展開していく予定です。運用対象の環境としてはオンプレミスのプライベート・クラウド、IBM CloudやAWS、Azure、Google Cloud Platformなどのパブリック・クラウド、各種のコンテナ・プラットフォームが選択可能であり、どのサービスをどう使うかはサービス・カタログで詳細にご指定いただけます。
多くのお客様は、自社にとって新たな領域の管理にMCMSを利用されています。例えば、すでにVMwareやAIXの管理で手一杯のお客様が、新たに利用を開始したIBM CloudやAWS、Azureなどの管理にMCMSを利用するといった具合です。アプリケーションのコンテナ化を機に、コンテナ環境の管理にMCMSを導入するお客様も少なくありません。
さらに、クラウドやコンテナなど新たな環境に対応しながら自社の運用管理の手法を改革していきたいというお客様に対しては、その取り組みを支援するコンサルティング・サービスもご提供しています。
運用効率化のためにはクラウド移行段階から十分な検討を
IT部門の皆様にとって、社内IT環境の標準化は積年のテーマの1つではないでしょうか。クラウドへの移行を機に、MCMPのようなツールを利用してインフラなどをサービス・カタログ化することで、標準化の取り組みを進めやすくなります。
また、コンテナ・ベースのアプリケーションはライフサイクルが短く、数千〜数万個の小さなアプリケーションが多数動作するといった特徴があります。これらの管理を人手で行っていたのでは手が回りません。可能な限り標準化や自動化を進めることが不可欠となります。
最終的には運用管理の手間要らずな“ゼロタッチ運用”を実現できれば理想的ですが、そのためにはクラウドへの移行段階で最適なソリューションを選び、将来を見据えた仕組みを組み込んでおく必要があります。クラウドへの移行は、皆様のシステム運用管理を大きく変革する絶好の機会なのです。IBMは多彩なソリューションとサービスで、その変革の全てをご支援します。ぜひお気軽にご相談ください。
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