IBM クラウド・ビジョン
ニューノーマル時代に向けて山積するIT課題に、CIOはクラウドでどう挑むか?
2020年06月25日
カテゴリー CIO|CTO向け | IBM クラウド・ビジョン | クラウド戦略立案
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COVID-19の災禍は、社会やビジネス、コミュニケーションのあり方を一変させました。CIOをはじめとする企業のITリーダーは、“ニューノーマル”と呼ばれる新たな時代に自社のビジネスやITを適合させていくためのさまざまな課題に直面しています。その取り組みで強力な武器となるのがクラウドです。
二上 哲也
日本アイ・ビー・エム グローバル・ビジネス・サービス事業本部 CTO
執行役員
IBMオープン・クラウド・センター長
日本IBMにおけるクラウド推進全体をビジネスとテクノロジーの両面でリード。1990年代のJavaやWeb、2000年代のSOA、2010年代のAPIやクラウドなど、それぞれの時代におけるオープンな先進テクノロジーの推進をリード。現在はオープンなハイブリッド・マルチクラウドにフォーカスし、コンテナやKubernetesの普及に尽力している。
鬼頭 巧
日本アイ・ビー・エム クラウド&コグニティブSW事業本部
クラウドインテグレーション事業部
事業部長
ミドルウェア製品を主管し、IBM Cloud Paksの日本市場における立ち上げをリード。メインフレームからクラウド、ソフトウェアまでの幅広い知識と経験を基に、お客様のDX推進を支援。製造業の担当経験を生かし、クラウドを活用した新規事業の企画からソフトウェア/インフラの提案まで、お客様のビジネス変革を包括的にサポートしている。
多くのCIOが挑む4つの課題。クラウドが強力な武器に
COVID-19(新型コロナウイルス)の世界的大流行(パンデミック)は、私たちの社会に戦後最大とも言われる大きな混乱と停滞をもたらしました。IBMは現在、お客様が現在の状況に対応しながら事業を継続していく短期的な観点と、パンデミックを経て大きく変貌したニューノーマルな社会にお客様の組織やビジネス、IT環境を適合させ、引き続き成長を支える中期的な観点から次の7つのテーマを掲げ、具体的な施策の検討と実行をご支援しています。
(中期)次世代戦略テーマ
- コア顧客保持、ロイヤリティ強化
- コスト削減/適正化、キャッシュフロー改善
- 業務での省人化自動化の徹底
- リスク管理強化
- バーチャル/機動的なワークスタイル
(短期)業務継続基盤の強化テーマ
- 在宅態勢整備
- BCP態勢整備
また、これらのテーマの下、特に多くの企業が取り組むIT課題として、次の4つに注目しています。
- コア顧客との関係強化
- リスク態勢強化
- コスト削減
- 省人化の加速
そして、これらの課題に取り組む企業の強力な武器となるのが、今回のパンデミックでも事業継続をはじめ、さまざまな領域で有効性を発揮したクラウドです。
コア顧客との関係強化─クラウドネイティブなアプリケーションの活用
ニューノーマルの社会では、従来のように訪問や対面を基本としたビジネス機会は大幅に減少し、リモートが主体になると予想されます。そのため、デジタルを活用して既存顧客との接点をどう強化していくかが大きな課題となります。
また、顧客との主要な接点となるアプリケーションに関しては顧客のニーズに応じて迅速かつ継続的に改善していくことが必要であり、DevOpsなどの開発手法と親和性が高い“クラウドネイティブ”な技術の活用が求められます。
リスク態勢強化─リモートでの開発/運用の検討
パンデミックを受けて発令された緊急事態宣言は5月に解除されましたが、今後も感染の第2波、第3波が警戒されるほか、他の感染症の流行が起きる可能性もあります。そうした事態になった際にもビジネスを継続できるよう、社員の出社や客先訪問など人の移動に依存しない新たなワークスタイルの下で生産性を高めていく必要があります。
その対象はオフィス業務のみならず、IT部門の開発/運用業務についても同様です。実際、これまで開発拠点に多数の要員を集めてITプロジェクトを実施していたお客様の多くが、自宅などからリモートで開発/運用業務が行える体制への移行を急ピッチで進めています。そのインフラとして広く活用されているのが、迅速かつ柔軟な導入が可能なクラウドです。
コスト削減─コンテナ技術によるサーバーの集約
パンデミックの影響から多くの企業は収益が低下しており、あらゆる領域で支出を減らすことが急務となっています。IT支出も例外ではなく、短期的なコスト削減の観点からクラウドの活用に関心を寄せる企業は多いでしょう。
例えば、オンプレミスのサーバー上で稼働する複数の既存システムを「コンテナ」と呼ばれる仮想化技術を使って効率的に集約することで、物理サーバーの台数を減らして運用管理の自動化を促進し、コストを大きく削減することができます。
省人化の加速─AIを活用した自動化
ニューノーマル時代には、省人化や自動化により、人が動けない状況になった場合でも業務が回る仕組みを作っておくことも重要な課題となります。IT部門の運用管理などの業務についても、AIなどを活用した効率化や自動化を検討すべきタイミングかもしれません。
IBMは5月に開催した年次カンファレンス「Think Digital 2020」で「IBM Watson AIOps」を発表しました。Watson AIOpsを使うことにより、企業はさまざまなシステムのログデータをAIで分析/モニタリングし、障害発生時の対応などを効率化することができます。
IBMのクラウドは他社と何が違うのか?
このように、ニューノーマル時代に向けたさまざまIT課題に取り組む企業で、今後はクラウドの活用が一層加速していきます。IBMは、これらのお客様に安心してご利用いただけるユニークかつ包括的なクラウド・ソリューションを提供しています。
現在、多くのベンダーがクラウド・サービスを提供していますが、IBMにはそれらと大きく異なる点がいくつかあります。
オープンなテクノロジーでベンダー・ロックインを回避し、ハイブリッド・マルチクラウドを実現
例えば、IBMのクラウド・ソリューションでは「IBM Cloud」のブランドの下で、パブリック・クラウドや「IBM Cloud Paks」を提供しています。Cloud Paksは、従来のソフトウェアとオープンソース・ソフトウェアを組み合わせたコンテナ技術ベースのパッケージ製品であり、アプリケーションやデータを他社クラウドも含めて自在に往き来させることが可能な“ハイブリッド・マルチクラウド”を実現します。お客様のアプリケーションが特定のクラウド・サービスにロックインされることはありません。
企業システムのためのセキュアな環境
クラウド上でのアプリケーション開発や運用に際して、セキュリティーを心配する方もいらっしゃるでしょう。IBMはメインフレームで培った堅牢なセキュリティー技術をそのままクラウドにも組み込み、金融機関や政府機関のお客様も安心してご利用いただける環境を実現しています。
各業界向けに高品質なサービスを提供
IBMは、Global Business Service(GBS)などのシステム構築/運用支援サービスを通じてさまざまな業界のお客様の多岐にわたるシステムを構築/運用してきました。その中で蓄積したお客様の業務に関する知識やノウハウ、技術を生かしたサービスをクラウドで提供していることも、他社にない特徴です。
例えば、Think Digital 2020では金融サービス向けのパブリック・クラウドを発表しました。これはバンク・オブ・アメリカ様とともに構築したものであり、金融業界のお客様が求める堅牢なセキュリティーやコンプライアンス機能などを備えています。
お客様のクラウド・ジャーニーを4つのフェーズで包括的に支援
IBMは、お客様が自社の事業戦略やIT課題などに応じてクラウドの段階的な活用を進める「クラウド・ジャーニー」を包括的にご支援しています。これは即効性の高いクラウド活用を実践しながらお客様のさまざまなシステムをクラウドに移行したり、クラウド上で新たに構築したりすることでシステム環境全体を最適化していくものであり、大きく「クラウド戦略立案(Advise)」「クラウド移行(Move)」「クラウド構築(Build)」「クラウド管理(Manage)」の4つのフェーズから成ります。
クラウド・ジャーニーの具体的な進め方は、お客様のビジネスやシステムの事情に応じてさまざまケースが想定されます。IBMはあらゆるご要望にお応えしながら、最適なクラウド・ジャーニーを実現する製品とサービスをご用意しています。お客様が今、直面されている課題の解決を通じて、私たちとともにクラウド・ジャーニーへの第一歩を踏み出しましょう。
次回からは、「クラウド戦略立案(Advise)」「クラウド移行(Move)」「クラウド構築(Build)」「クラウド管理(Manage)」のフェーズを担当するIBMのエキスパートが、それぞれのフェーズで活用されるテクノロジーについて解説していきます。ご期待ください。
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