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橋渡し役として、ビジネスも社会も良くしていきたいです(Watson IoT 橋本 佳道)

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Watson IoTチームメンバー・インタビュー #9

橋本 佳道 Watson IoT営業

 

IoTとAIの持つ可能性とそれがもたらす未来について、Watson IoTチームのメンバーに個人的な視点を交えて話していただくインタビューシリーズ、今回は橋本 佳道さんにお話しいただきました。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

     — よろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

Watson IoT事業部で、今年は「予知保全」と呼ばれる、工場などの設備管理を中心としたエリアを担当する営業の橋本です。

IBMに入社してから多くの時間を組込みシステム開発の効率化支援に携わってきました。そしてここ3年くらいは解析技術を用いたビジネス支援をしています。今のチームに来る前は、アナリティクスと呼ばれる事業部にいました。

IBMに入社してもうすぐ、今度の4月で丸11年になります。

 

     — え! 私もまったく同じタイミングで11年なんですけど!

そうなんですか? じゃあ、パチさんと私、きっと中途入社社員向けのオリエンテーションとか一緒だったんですね。なんだか、急に親近感がぐっと高まってきました(笑)。

 

 

     — 私もです(笑)。橋本さんはずっと解析技術関連ということですが、入社した頃と今を比べると営業としてどんな違いを感じますか?

お客さまの意識変化がすごいです。本当にガラッと変わりましたね。

昔は「なぜデータ解析テクノロジーが、今で言うところのAIがなぜ必要か。ソフトウェアがどれほど重要な役割を果たせるか」を説明することが仕事の重要なポイントだったんですが、今やその必要はなくなりました。

 

     — お客さまの方がむしろ詳しいとか?

さすがにそれは営業としてマズイですよ(笑)。

でも、本当にお客さまの意識や認識は、昔とはまったく違います。

 

     — 橋本さん自身の変化はどうですか?

いろいろ変わりましたね。IBMに入社してから「自分が変わったな」と強く思うのは、日本の製造業を元気にしたいって気持ちがすごく大きくなったことです。

「お客さまの側に立って、最後まで一緒に。」という考えが自分の中で太い柱になっています。

 

     — 他にはどんな変化が?

これは数年前にWatson IoT事業部に来てからの変化ですが、それまではずっとある意味「裏方的」というか、表立っては目に付きづらい開発系のソフトウェアを取り扱っていましたた。でも最近は、サービスや事業を直接的に担うものとも関係するようになってきましたね。

 

     — 何か具体的に紹介いただけるものはありますか?

パチさんは「テレマティクス保険」ってご存知ですか? ドライバーの運転データをリアルタイムに取り込んで、ドライバーに安全運転のためのフィードバックをするのが特長的な保険です。

社名は公表していないのですが、某保険会社さまと一緒に取り組んだ「テレマティクス保険」が、実際のサービスとして提供され始めています。今後もどんどん進化させていくことができそうで、安全な社会づくりの一端を担えそうでワクワクしています。

 

 

     — 先ほど、「日本の製造業を元気にしたい」と言われてました。

はい。自分が担当するのが故障予測や保全管理系の製造業に近いソリューションだということもありますが、やっぱり製造業は日本を代表するビジネスだと思うんですよね。

でも、その現場では暗黙知が暗黙知のままになっている領域が少なからずあって、そこに変化をもたらして、現場に大きな力をもたらすのがAIを活かしたナレッジマネージメントだと思っています。

技術者の高齢化やそれにも関係する労働力不足などを考えると、現場で培われた技術や経験を、次世代にできるだけ早く簡単に繋げていくことが大切で、火急の問題になっていると思うんです。

 

     — 製造業以外にも、さまざまな現場に当てはまる話のようにも聞こえます。

その通りだと思います。とくに社会インフラを担う分野、例えば水質やエネルギー効率の向上や管理などのエリアで原因分析技術の進歩をもっと活用すれば、社会インフラをより堅固で効率的なものにできるんじゃないかって思ってます。

他にもたくさん、この技術を活かすことで解決できる課題は多いと思います。活用の仕方によっては、組織や企業はビジネスやサービスを急速に広めることもできるでしょうから、そういうチャンスを探している方にも知ってもらいたいですね。

参考: IBM Maximo APM – Predictive Maintenance Insights

 

     — 橋本さん自身が直接製造業にお勤めになっていた時期もあるんですか?

いいえ。私はソフトウェアの世界に入るまでは、実は商社勤めだったんです。いろいろな企業や商品の間に入って強みをつなげたり展開させたりする、そんな「橋渡し役」をやっていました。

そういう役回りは今でも好きです。でももっと「新しいものを生みだす」ことに惹かれる自分もいて。

 

     — 商社では「新しいもの」は生まれませんか?

いえいえ、もちろんそんなことはないんです。ただ私が担当していたのが、規模で勝負が決まってしまうことが少なくない分野だったんですね。

それで、新しいアイデアや考え方が駆動力になって、新しいものを生みだしていくソフトウェアの仕事に転職しました。

 

     — そして今はその中で「モノづくり」を担当している。ある意味、今はハードとソフトを繋ぐ「橋渡し役」ですね。

うまいこと言いますね(笑)。うん、結構共通する部分があると思っています。

橋渡し役として、ビジネスも社会も良くしていきたいです。

 

     — 最後の質問です。2035年、橋本さんはどんな世界で暮らしていたいですか?

想定外の悲惨な事故や、突然の大きな病気の罹患が社会からなくなっていて欲しいですね。ものすごく大きな、夢のようなことを言ってる気もしますけど、でも少なくとも今よりも減っていて欲しい。

察知して、伝えて、止める。そういう技術がWatson IoTにはあるので、それが進化して広がっていくことで、安全な社会を子どもたちに残したいです。

 

インタビュアーから一言

4歳と6歳の2人の女の子のお父さんでもある橋本さん。未来の世界について話すとき、何度か上を見上げて考えていましたが、そのあと、とても柔和な表情で話すのが印象的でした。多分、彼女たちの姿を頭に思い描いてから喋っていたんじゃないかな?

朝の保育園までの自転車での送りと、夜のお風呂上がりのお世話や遊びが楽しみだって言われていたので、知人・友人の方々は飲みのお誘いを断られても「付き合い悪いですね」とか言わないであげてくださいね(笑)。

(取材日 2019年1月9日)

 

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