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息子も部下も、人の気持ちを推し量れる人間であって欲しい(Watson IoT 関 敦之)

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Watson IoTチームメンバー・インタビュー #8

関 敦之  営業部長

 

IoTとAIにより拡がる未来について、Watson IoTチームのメンバーが語るインタビューシリーズの第8回です。今回はセールスチームのリーダー、営業部長の関さんに登場いただきました。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

     — 関さんはいつからWatson IoTチームに加わったんですか? 

2017年の10月なので、1年少し前ですね。それまでは当時常務執行役員をやっていた松永さんの補佐を半年やっていました。

補佐の時代に、その後Watson IoT事業部長になる村澤さんとも出会いました。

 

     — そこで村澤さんから「営業部長に」と打診されたんですか? 

いえいえ、松永さんから打診をいただきました。

補佐の半年間を通じて松永さんの人柄やビジネス観にとても惹かれていましたし、村澤さんと話しをしたときの感覚もすごく良かったので「これは一緒にやりたい。やるべし!」と直感で決めましたね。

 

     — 直感ですか!実際に営業部長としてこれまでやってきて、事前にイメージしていたものと違いはありましたか? 

いや、違いはないですね。

「これまでとは違うアプローチでやっていこう。製品機能ではなくお客さまにとっての価値を伝え、ユースケースを通じてお客さまと一緒に価値を創造していこう」とスタートのときから事業部長の村澤さんと話していたので、ずっとそれを進めています。

 

     — お客さまって、具体的にどんな企業の方たちになるんですかね? 

企業さまに私たちIBMの製品を採用いただき、業務の効率化・品質向上につながるご支援を直接させて頂くこともありますが、それに加えて「B to B to X」(ビートゥービートゥーエックス)と呼んでいるビジネスモデルがあります。真ん中の「ミドルB」の方たちが私たちの直接的なお客さまになりますね。

このモデルでは、ミドルBの方々と一緒にそれまでにないモノやサービスを生み出して、社会や市場に届けていくのが私たちの仕事です。

 

     — 例えば、自動車業界だとどんな方達がミドルBになるんですか? 

自動車業界だと、カーナビやドライブレコーダー、デジタル式運行記録計などの製造や販売をしている企業さまです。自動車業界以外でイメージしていただきやすいのは、ウェアラブルデバイスや各種センサーを取り扱っている方たちですね。

私たちIBMは、クラウド上でデータに付加価値をつけるソリューションだけを持っており、データを取得する「IoTデバイス」と呼ばれる機器を持っていません。そのため、そういうIoTデバイスに私たちのソリューションを組み合わせ、他社にない価値を作り上げることを考えています。そういうことを一緒に考えてくれる企業さまを絶賛大募集です。

 

 

     — 営業部長という役職経験は長いんですか? 

役員補佐を半年務める前に2年間やっていました。それまではずっと営業マンで。

 

     — 部長として心がけていることはなんですか? 

私は営業部長に一番重要なのは人材育成だと思っています。

もっと言えば、自分の部下だけじゃなくて、若い人たちの成長を促進してあげるために自分に何ができるかをいつも考えています。

 

     — すばらしいですね! 何か実際の行動として意識されていることはありますか? 

自分が期待していることをきちんと伝えることですね。期待していることっていうのは数値的な成果という意味じゃなくて「何をして欲しいと思っているか」です。

なぜその人にそれをして欲しいのか、その人にそういう期待をする背景や土台がなんなのか。期待を伝えるっていうことは、自分が相手に何を見出して何を評価しているのかを伝えるってことだと思うんです。

 

     — 関さん、めっちゃいい上司じゃないですか! 

パチさんにそう言ってもらえて嬉しいな。でも本当にそれが重要だと思ってるんですよ。

そして、こういうことをきちんと伝えるには、まず日々のコミュニケーションが重要だと思うし、相手の良いところを見るように普段から意識しています。

 

     — 今年の「理想の上司」大会にノミネーションされますね。 

そんな大会ないでしょ(笑)。

良いところを見てそこをちゃんと褒める、というか伝える。そしてダメだなと思うところも「なぜダメだと思うか」をちゃんと伝え、会話するようにしています。

それから、オンとオフのけじめもきちんとつけること。

 

     — 先ほどはつい冗談っぽく伝えてしまいましたが、本当にすばらしいです。何かそういうスタイルになったきっかけはあったのでしょうか? 

IBMに転職して来る前の職場での出来事ですが、私のことをとても可愛がってくれた先輩がいました。でもあるとき、その先輩に「最近のお前は可愛さを失っているぞ」と諭されました。

言われてみればその通りで、その頃の私は、営業として良い成績を出し続けていて、調子に乗っていたんです。周囲の人たちがいろいろとサポートしてくれるから日々の仕事も順調に進んでいるのに、そんな周囲の人たちへ感謝を伝えることすら忘れていたんですから…。

 

     — その先輩の言葉が響いたんですね。 

ものすごく響きました。そのときから信念としているのが「相手の立場になって考える」ということで、一貫してこれを実践し続けてきました。

ときに、理不尽な怒りをぶつけられたように感じる場面であっても、相手の立場になって気持ちを考えれば、その怒りがどこからきているのかとかその背景を想像することができる。相手の行動だけで判断するんじゃなくて、気持ちを考えてあげることが、何よりも大切なことだと信じています。

 

 

     — 仕事を離れたときは、どんな風に時間を過ごしています? 

6歳の息子と野球ごっこをして遊ぶのが大きな楽しみですね。

私が巨人ファンなので、ときどき一緒にドームで試合観戦するのも楽しみです。

 

     — 息子さんとは普段どんな話を? 

まだ6歳なのでたわいもないことですよ。でも、考えてみたら、部下に言うことと同じことを言ってますね。

息子にもいつも「相手の立場になって考えようね」って伝えてるんです。幼稚園で何かがあったなんてときも、「どうしてxxxちゃんは怒っちゃったんだと思う?」「なんでケンカになっちゃったんだろうね?」って、相手の気持ちを考えるように言ってます。

 

     — ほんとだ。部下の方たちへの言葉と同じですね。 

はい。信念ですから。

人として大切なことは、職場であろうと家庭であろうと変わらないと思っていますし、息子も部下にも人の気持ちを推し量れる人間であって欲しいです。

 

     — 本当に一貫していますね。信念のベースは何なんでしょうか? 

…人への信頼でしょうか。私は昔からとても周りの人たちに恵まれていて、いつもその人たちが自分の誤りを正してくれるし新しい道へと導いてくれるんですよ。

前職の先輩はもちろん、他にもこれまでにご縁をいただいたたくさんの方たちとのつながりは本当に宝ものだと思っていて、いまでも頻繁にやりとりさせてもらっています。本当に自分はラッキーな人間です。

 

     — その先輩は今はどうされているんですか? 

変わらず前職の会社にお勤めされていますよ。

あんなにステキな先輩の元を離れてしまったんですから、私がIBMで手を抜いたりしたら、先輩に申し訳ないです。しっかりビジネスして、しっかり後輩を育てて行くことが先輩への恩返しだと思っています。

 

     — その想いが人を育てることへの情熱につながっているんですね。 

営業部長として、当たり前のことを当たり前にやっているだけなんですけどね。

でも、そういう観点で言えば、チームのメンバーがきちんとお客さまとリレーションを取れているかは常に意識して見るようにしています。

 

     — お客さまとのリレーションで重要なポイントは? 

夢や将来像を語り合えているか、本気で話し合えているか。これが一番大切かな、と。

「数字を追う」のも大切な仕事ですが、それは仕事の一部でしかないです。特に若い営業担当者には、お客さまとの関係作りを一番大切にして欲しい。

 

     — そんな風に言い切ってくれる上司を持つ部下は幸せだと思います。 

だって、それが営業という仕事の醍醐味じゃないですか。

短距離競争じゃなくて、中距離、長距離をお客さまと一緒に走っていく。ただビジネスとして短距離走も走らなきゃいけないことがあるので、できるだけその部分は自分がカバーしてあげたい。

 

     — 「理想の上司」大会の決勝進出、間違いないです! 

だからそんな大会ないって、さっき言ったじゃないですか(笑)。

でも厳しくするところもありますよ。特に言っているのが「やって当たり前のことはちゃんとやろう」ということです。それができていないと、せっかくできている他のところもダメだと受け止められてしまう。もったいないですよね。

「デキる営業」っていうのは、そこもきちんとデキるものだと思ってます。

 

 

インタビュアーから一言

「この人は、人が好きなんだ」— 前職の先輩の話、松永(元)執行役員の話、村澤事業部長の話、そして自分の部下と息子さんの話…。彼らのことを話しているときの関さんのは目はキラッキラしていて、それを確信しました。

そんな関さんの愛読書は『論語』だそうで、もう何度となく繰り返し読んでいるそうです。
…インタビューのとき「ああ、論語ですか。ずいぶん昔に読んだことがあります」ってつい見栄を張って言っちゃったんですが、私、本当はマンガ版論語しか読んだことがありません…。

今度は現代語訳版を読んでみようっと。

 

(取材日 2019年1月15日)

 

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