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オープン系Db2は記念すべき 25 周年!

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寄稿者: IBM Fellow, Analytics, IBM (US)
原文:http://www.ibmbigdatahub.com/blog/celebrating-db2-s-25-years-awesome (US)

2018 年 3 月 16 日、Linux、UNIX および Windows 上で稼働する Db2が、製品発表から 25 周年を迎えました。この 25 年間、担当チームはDb2 ブランドの確立に尽力し、市場力の創出へと繋げてきました。Db2 は強力な製品ラインであり、IBM のお客様には一貫して高い価値を提供し、IBM のビジネスには高い収益性をもたらすという、素晴らしい実績を誇っています。

このような成功を遂げているテクノロジー製品は、世界のどこを探してもほとんどありません。株式市場、投資銀行、病院、保険会社、年金基金、製造業者、小売業者、鉄道、輸送および物流会社、航空会社、学校、政府など、Db2 は世界中の基幹業務を支えています。これは、ビジネス・リーダー、戦略家、エンジニア、研究者、イノベーター、サポート・スタッフおよび営業担当者から成る優れたチームの尽力によるものです。

卓越したテクノロジーならびにここまで築き上げたチームを称えるとともに敬意を表します。

上記の資料は、1993 年 3 月 16 日付けの最初の製品発表レターです。IBM ビジネス・リーダー Janet Perna、Hershel Harris、Brett MacIntry による署名とメッセージが記されています。

上記の資料は、1993 年 3 月 16 日付けの最初の製品発表レターです。IBM ビジネス・リーダー Janet Perna、Hershel Harris、Brett MacIntry による署名とメッセージが記されています。

・Db2 の始まり

1993 年の Db2 初期バージョンは、RS/6000 の OS/2 および AIX 上で稼働するものでした。これは、IBM の製品開発チームと、SQL のコンパイルおよびリカバリー処理における革新的な新技術に取り組んでいた IBM Research 部門の共同作業によるものです。事実、退職した IBM フェロー Pat Selinger 氏らによる研究論文 (「Access Path Selection in a Relational Database Management System」)、および現 IBM フェロー C. Mohan 氏らによるログ先行書き込みに関する ARIES 論文 (「ARIES: A Transaction Recovery Method Supporting Fine-Granularity Locking and Partial Rollbacks Using Write-Ahead Logging」) はデータ管理に関する文献史上、最も引用されている論文です。この研究により 1993 年の製品の中核が確立されるとともに、製品の成功への道が開かれました。

上記イメージ: 1979 年発表の Pat Selinger 氏らによるアクセス・パスの選択および照会のコンパイルに関する研究論文

上記イメージ: 1979 年発表の Pat Selinger 氏らによるアクセス・パスの選択および照会のコンパイルに関する研究論文

それ以来、Db2 製品は、IBM ソフトウェア・ポートフォリオならびに IBM Analytics 部門の重要な製品となっています。IBM という大企業の中でも、Db2 は IBM 全体の企業収益に多大な貢献をもたらすと同時に、そのテクノロジーとイノベーションは驚異的な進化を遂げています。

  • エンタープライズ向けのオファリング: 多くのデータベース・ベンダーは、スタートアップ企業や特殊用途を目的とするユーザーを引き付けるために低価格帯のデータベースにのみ注力していますが、IBM は常にエンタープライズにも目を向けています。IBM はエンタープライズのニーズを把握しています。また、Fortune 500 企業の課題をしっかりと理解し、解決に向けて対応しています。Db2 で採用されているテクノロジーにおいてもエンタープライズ向けの方針が貫かれており、セキュリティー、スケーラビリティー、スピード、および可用性が重視されています。今日の Db2 は、かつてないほどのコアおよびストレージ・ボリュームのレベルにまで拡張し、非常に高度なワークロードのニーズに対応します。
  • 最高の処理スピード: Db2 は、かつての 6 トランザクション/秒という初期プロトタイプから、現在ではコア当たりの最も優れたパフォーマンス・メトリックと、クラスター全体にわたる高度なスケーリングを誇る製品になりました。その結果、トランザクション処理と分析の両方において大量のスループットを実現しています。
  • クラウドおよびハイブリッド・クラウド対応: Db2 は、2014 年にウェアハウス用のフル・マネージド (ロードしてすぐに使える) のクラウド・サービスを開始し、2015 年にはトランザクション処理用のクラウド・サービスを開始しました。これらのサービスは、驚異的な速さで進化を遂げています。お客様が必要に応じて段階的にクラウドに移行できるようにするために、並々ならぬ努力をもって、これらのクラウド・サービスでも Db2 のソフトウェアやプライベート・クラウドの製品群とまったく同じ SQL エンジンを使用できる仕組みを築き上げました。これらは単に、製品に互換性があることを意味しているのではありません。現に、SQL 処理において同じソース・コードを共有し、アプリケーションの最高レベルの互換性を確保しています。
  • オペレーティング・システムの拡張: Db2 は、初期の OS/2 と AIX オペレーティング・システムに加え、Linux、Windows、および Solaris といった追加プラットフォームを活用するために、何度も拡張されています。
  • 簡易性: 2000 年の初め、Db2 は自律型コンピューティング (オートノミック) に対応する業界最先端の機能を導入しました。これは、最も平均的な管理タスクを自動化し、Db2 を任意のサイズのサーバーまたはクラスターに自動的に適用して、高度なデータ圧縮を実現します。その結果、ほとんどのワークロード・タイプにおいて、ロードしてすぐに使える簡易性をもたらすことができました。
  • データ形式: Db2 はリレーショナル・データ (複数の表の行/列にデータを格納) から始まりましたが、ラージ・バイナリー・オブジェクト (LOB)、XML および JSON をサポートするよう拡張されています。
  • 多言語サポート: Db2 の当初の目的は、Db2 メインフレーム製品との言語の互換性を提供し、お客様にメインフレームと分散システム間で容易にアプリケーションを開発・移動できるようにするための柔軟性をもたらすことでした。これが見事に効果を発揮し、時と共に、公式の ISO 標準および IBM の実際の言語要素の枠を超えて、SQL 言語の広範なバリエーションをサポートするまでに拡張されました。実に、現在の Db2 は、Oracle、Db2、Netezza、PostgreSQL で広く使用されているDBの“方言”に対して SQL 言語の互換性を備えており、商用またはオープン・ソース製品の 方言についても最も幅広くサポートしています。
  • インメモリーの最適化: Db2 は、今日のウェアハウス戦略の基礎となる複雑な照会処理に対して、CPU キャッシュの最適化アルゴリズムを備えたベクトル処理エンジンを構築し、インメモリーの最適化に多大な投資を行いました。

IBM は、お客様が希望するところでアプリケーションを実行できるようにすることで、お客様に最高の柔軟性を提供できるよう努めてきました。この目的を達成するために、クラウド、ソフトウェア、プライベート・クラウド、およびトランザクション処理と分析のためのアプライアンスにおいて、まったく同じ SQL エンジンを使用しています。

Db2 チームについて最も特筆すべき点は、お客様に対する情熱です。お客様の役に立つことが何よりも重要であると考えています。そして、IBM は、お客様の成功が重要であることを理解しています。だからこそ、エンジニアは昼夜、週末を問わず作業を続けます。すべてのお客様に対するその情熱とコミットメントが IBM を際立たせ、ひいては IBM を多くのお客様にとっての重要なパートナーへと導いてきました。

この 25 年間を振り返ってみると、IBM の技術的な実績、そして世界中の大企業にデータ管理を提供してきた大きな成功は記念すべきものであり、次の 25 年間についても成功を確信しています。Db2 は進化し、成長し、そして最先端を突き進んでいます。

この 25 年間の壮大な取り組みに携わったすべての皆さん、おめでとうございます。

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