SPSS Modeler ヒモトク
【開催レポート】SPSS Modeler秋のオンラインユーザーイベント2022〜組織で高めるデータ活用力とマネタイズ〜
2022年12月06日
カテゴリー Data Science and AI | SPSS Modeler ヒモトク | アナリティクス | データサイエンス
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みなさまこんにちは。スマート・アナリティクス株式会社の武田です。
SPSSユーザーイベントが、2022年11月4日に開催されました。飛び石連休にもかかわらず今回もまた1000名に近い多くの皆様に参加いただきました。
このユーザーイベントは春と秋、年2度開催しています。春はテクノロジーにフォーカスし、秋にはマーケティングとマネタイズをテーマにしていて、オンラインになって3回目の秋の回です!これまでの講演資料も充実してきました。
こちらで資料を共有しています→https://speakerdeck.com/jpspss
今回もイベント運営関係者として、また純粋な参加者の2つの視点でレポートしてみたいと思います。
プレセミナー「過去の寸劇一気見」
SPSSテックメンバーによる真剣寸劇がすっかり定番になりました。過去の寸劇も見てみたい!という参加者の声にお応えして過去3作品を40分かけて一気に再放送。将棋解説、テレビ通販、英会話スキットと場面を変えてSPSS Modelerが解説されると、改めて色々気付かされ、テックメンバーの毎度のアイデアと熱意に感心します。
プレセミナー「AIT:AI365」
パートナーセッションのトップバッターはAITさん。こちらのサイトで展開している
動画から、ダイジェストを紹介されました。お馴染みのAIT林さんをはじめ、
ヒモトクブログに登場した木暮大輔さんや千野直志さんといったSPSS縁の方々が登場し、驚かれた方は多いのではないでしょうか。ツッコミの字幕が面白くて何度も笑ってしまいました。
林さんの記事「時系列データを扱う「シーケンス関数」をおさらいしよう!」もぜひご覧ください。
プレセミナー「NI+C:大規模データ処理のお悩みを解決」
日本情報通信(NI+C)さんのセッションは春の「データベースで大規模データ処理の高速化・効率化を実現」の続編といえる「大規模データ処理のお悩みを解決」でした。
森山さんの記事「ブログで学ぶSPSS_Modeler #02- Google BigQueryでSPSS Modelerプッシュバックを実行する」でも扱われているSQL自動発行機能(SQLプッシュバック)が実際のクラウド環境で実行される場合の注意点や、Tipsについて解説してくださいました。GPCなどで大規模データを処理するユーザーには非常に有益なセッションだったのではないでしょうか?
プレセミナー「SPSS Modelerで実践!~顧客データ分析の教科書~」
秋のイベントはマーケティングにフォーカスしていることもあり、弊社代表の畠が顧客分析では定番の手続きを生放送で解説しました。ベテランが多く視聴するこのイベントですがアンケートで「基本を改めて説明されると勉強になる」とコメントをいただいており、定番ストリームのデモンストレーションは今回も支持をいただきました。当日の放送を一手に担っている畠は自分のセッションが毎回プレッシャーになっているようで少し気の毒ですが、楽しみながら担当させていただいています。
プレセミナー「始めてみようSPSS Modeler 〜燃え上がれ小宇宙〜」
Stats Guildさんによるコンテンツの第3弾。アンケートによる満足度は本編寸劇のそれを凌ぎ、この「始めてみようシリーズ」の最新作を楽しみにしている視聴者も大勢いらっしゃいます。今回はデータ分析者が一度は苦悩する「精度」をテーマに。業務実装に重要なインパクトを与える精度評価。「どのように扱うべきか」、「何が正解がわからない」というお声をよく耳にします。このコンテンツは面白いだけでなく、極めて重要な要素にヒントを散りばめてくれることもまた高い人気を支えている理由なのだと感じます。
以下からフルサイズで視聴いただけます!
オープニングアドレス
Gene Azad
Product Manager – SPSS Modeler
IBM
IBMグローバルでSPSS Modelerの責任者であるGeneのオープニングアドレスでは日本のユーザーの声が開発に活かされていると説明がありました。過去の日本のユーザーイベントのアンケートは全て報告されており、ユーザーの声が反映されるロードマップを今後も展開していきたいと語られました。GeneをはじめとするSPSSのプロダクトチームにもいつか来日して、日本のSPSSファンの生の声を届けていけたら良いなと個人的に希望しています。
講演①調査会社におけるデータ解析いまむかし
田村 玄
株式会社ビデオリサーチ
統括・ソリューションユニット
ビジネスソリューショングループ
田村さんは2000年にSPSSイベントで登壇されたベテラン代表。タイトル通りかつての市場分析の取り組みから変化したものとしていないものを分かりやすく説明されました。設計した調査データを掘っても新たな知見が得られない場合があるが、調査データと個社がもつデータを組み合わせるとデータ起点で探索的な分析から価値が生まれるのだそうです。
ご自身もまだ分析者として学びの最中にあると前置きした上で、これから取り組まれる若い分析者に励まし、語り掛けられるシーンがとても印象的でした。ユーザー同士が相互に刺激を与え合うユーザーイベントならではの光景でした。
講演②データ活用における成功と失敗
相馬 剛 様
東日本旅客鉄道株式会社
マーケティング本部
くらしづくり・地方創生部門 事業推進ユニット
以前は通信系のECでSPSSユーザー事例に登場された相馬様。活躍の場をJR東日本に移され、古巣での取り組みと新天地でのチャレンジについて解説してくださいました。Webレコメンデーションのような大規模なデータ活用の取り組みは事業会社だけではなく支援をしてくれるパートナーが必要だと合理的な見解を示されました。
自身で行うべきパートと外部の知見や経験を求めるパートを切り分けるのはこれから大規模開発に取り組まれる方に参考になったのではないでしょうか。タイトルの通り失敗した内容を潔く振り返られ整理される姿勢にアンケートからも「役に立つ」と賞賛のコメントが寄せられました。
寸劇「珍ノード自慢」
SPSSテクニカルセールスが、ユーザーイベントを盛り上げるため全力でお届けする寸劇。イベントの数日前にIBM山口社長の目にとまり社内でユーザーイベントも含めこの取り組みがIBM内で広く紹介されたようです。毎回異なる趣向で準備されるメンバーに「毎回大変ですね」と声をかけたところ「自分達が一番楽しんでいる」との回答が。これからも楽しくてためになる寸劇を作っていって欲しいです。
講演③データ分析プロセス~成功率を上げる型とその向こう側~
牧野 泰江
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部
Data & AI第一テクニカルセールス
Pythonや統計の書籍が数多く売れ、DXやAI活用が企業の競争力に必須と言われる今、成果を得るためのデータ分析プロジェクトの標準化が不可避です。牧野さんが紹介したCRISP-DM(CRoss Industry Standard Process for Data Mining)はデータマイニング黎明期の1990年代後半に作られたメソッドですが、現在も多くのベテラン分析者に支持されます。データ分析のプロセスを要素に分解し、どんな領域でも普遍的な進め方を示したこの「型」を初学者はもちろん、ベテランの方にも今一度見直してみてほしいと訴えました。結果、想定以上の反響があり「自分のプロジェクトの参考にします」といった声を多数いただきました。
AIの倫理や分析が実装された後にも責任を果たさなくてはならないデータ活用の世界でまた脚光を浴びてほしいメソドロジーです。
講演④ド文系が取り組むWebログ集計とSPSS社内普及活動
小西 孝典 様
日本航空株式会社
旅客営業本部 Web販売部
1to1マーケティンググループ
タイトルに惹かれる!と多くのユーザーから事前に話題になったこのセッション。小西さんは私と同じ文学部のご出身で、故に「ド文系」と自身を称されました。実は機械学習開発の世界は数学や工学出身者が脚光を浴びますが、それを利用して業務でマネタイズする分析者は理系である必要はなく、むしろ文系出身者が多いのも事実です。
(日本でデータサイエンティストの肩書きを持つ方の4割は文系学部出身という調査も)
セッション内では過去の講演ではあまり取り上げられることのなかったクセの強いWebログのデータ加工方法を紹介。「大切なのはビジネスの文脈にデータからの恩恵を与えること」と小西さん。数学へのコンプレックスのある私も、このセッションを伺い認識を新たにしました(そして勇気づけられました)。特に分析者の仲間を社内に増やすには、強制的なルールより、素養とやる気のある人を見つけて自然に働きかけることだというヒントに多くの参加者から賞賛の声が上がりました。
クロージングアドレス
京田 雅弘
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部
Data & AI第一テクニカルセールス マネージャー
寸劇を通してユーザーにもすっかり有名人の京田さん。クロージングでは参加者に情熱的に語ってくださいました。IBMがSPSSに投資を続けてゆくためにも、ユーザーの積極的な関わりを期待し、一緒にSPSSブランドを盛り上げてほしいと訴えかけられました。
データを資源に組織と社会をよき方向へ
このイベントに参加するたびに、SPSSの目指す変わらない価値と新たな時代への適用を強く感じます。データマイニングやBA、予測分析やDXと名称は変化してもデータを資源に組織や社会をよき方向に導く分析者にとってSPSSはいつもユーザーと共に発展しています。
これからもユーザーの皆様と一緒にこのプロダクトを育み、データ活用がもたらすより良き世界を目指していけば幸いです。
武田 千夏
スマート・アナリティクス株式会社
ソリューション営業部 部長
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