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無限の好奇心をもって成長するためには? ーIBMコンサルティング流 技術の磨き方【Shift! #1】
2022年07月11日
カテゴリー IBM Consulting
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はじめに
皆さんはどんなことに好奇心をかき立てられますか?面白そうな情報を聞いた時、新しい知識を身につけた時でしょうか。ITに関心のある人であれば、新しい技術やテクノロジーに触れた時という場合もあるでしょう。ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、新たなテクノロジーが次々と生まれる今の時代では、たえず好奇心を持って新しい知識やスキルを吸収できる技術者が求められています。
IBMコンサルティング社員の行動指針(IBM Consulting Way)の一つに「私たちは、無限の好奇心をもって成長します」という言葉があります。無限の好奇心こそが、社員として企業として成長するための原動力であり、私たちがたゆまず成長を続けることでより良いサービスをお客様に提供できる、という考え方です。
本記事では、4名のIBM コンサルティングのアーキテクト(※1)、テクニカル・スペシャリスト(※2)にインタビューし、技術を磨き、無限の好奇心持って成長するためのヒントを聞きました。詳しくご紹介します。
1. 無限の好奇心の入り口は、ハッカソン・チャレンジ
-はじめに、大きなハッカソン(※3)大会に何度もチャレンジしているIBM Consulting北村さんと坂本さんに聞きます。参加のきっかけはどのようなことですか。
北村:海外旅行が好きな技術者仲間の1人が、いつかハッカソンの本番のアメリカに行って、自分たちも参加できたらいいよね、と話をしたことがきっかけです。ハッカソン大会への参加は、IT技術者にとっては憧れです。技術力が高いと言われている国々と競うことを想像すると心が躍りました。与えられたテーマに向けてアイデアを出し合いながら開発することは、技術の勉強にもなりますし、チームで1つのものを作り上げることも楽しみでした。
コロナ禍で海外のハッカソン大会にオンライン参加できるようになったので、これはチャンス!と思い、さっそく仲間と集まってチャレンジしました。活動は週に1度のペースですが、大会が迫ると徹夜する日もあり、体力的にきつくなることもあります。2ヶ月間必死に準備しても入賞せず落胆することもありますが、その分入賞した時の嬉しさはひとしおです。受賞の喜びを味わうと、また何度でも続けたくなります。この気持ちが私のモチベーションなっていますね。
-坂本さんにとって、ハッカソンの楽しさはどんなところにありますか。
坂本:1番は、チームで1つのことをやり遂げる達成感を味わうことができる点です。部活動の楽しさをイメージして頂くとわかりやすいでしょうか。私たちのようにチームでハッカソンに参加する場合、みんなで1つの作品を作ることになります。年齢が近いメンバーが多いので、みんなでワイワイ盛り上がる楽しさもありますし、開発の過程においては、自分の力不足を感じることや、メンバーとの意思疎通がうまく図れなくて悩むこともあります。そのような状況でも互いにフィードバックしたり励ましあったりしながら、少しずつ前に進んでいく。遂に完成させた時の達成感は、言葉では言い尽くせないほどです。
-自分の成長を実感することはありますか。
北村:実現可能性が明確でないものや情報が少ないものでも地道に調べてまとめる力がついたことです。ハッカソンでは、調べ物をすることが頻繁にあるので、その経験で養われた調査力や忍耐強さは私の技術者としての強みの1つになっています。
坂本:私も仕様漏れがないように細かく調べる習慣がつきました。ベンダー製品を使う機会にも仕様要件を細かく確認するようになりました。ハッカソンもある意味プロジェクトですから、1つの仕様漏れが命取りになる場合もあります。業務でも仕様の確認には細心の注意を払うようになったことは、日々の開発業務でもとても役立っています。
2. 学べば学ぶほど好奇心が増す、クラウド認定資格の取得
-次に、クラウドの学習に目覚め、すでに2つのクラウド認定資格を取得している古里さんに聞きます。現在3つ目の資格試験にチャレンジ中とのことですが、挫折せずに新しい技術を学び続けられる秘訣はどんなことでしょうか。
古里:実は、私が担当しているお客様プロジェクトはオンプレミス環境なので、すぐにクラウドの技術が必要というわけではないんです。しかし、クラウドの世界はどんなものだろう、いつか私も使ってみたい、新しいことに挑戦してみたいという気持ちが芽生え、気がつけば独学で学び始めていました。クラウド技術は知れば知るほど面白くて奥深いので、学習は飽きることなく続けられます。先に取得したIBM CloudとAzureの基礎レベルのクラウド資格は、ベンダーの無料サイトを利用して8〜16時間ほどの学習で取得できました。次はAWSとGoogle Cloudの資格を取得しようとチャレンジ中です。私がクラウドの勉強を続けていられるもう1つの要因は、社内のアワード(表彰制度)も楽しみの一つとしていることだと思います。がんばったご褒美があるのは、やはり嬉しいものです。次の資格試験でも合格してアワードをもらえるように頑張ります。
- 昨年の学習時間は200時間を超えたそうですが、学ぶ時間を確保するうえで何か工夫はありますか
古里:私はもともと新しい知識を得ることが好きで、学習は私の趣味の1つと言ってもいいほどです。コロナ禍でも変わらずプロジェクト現場に通勤していますので、電車に乗っている時間は全て学習時間に充てています。たいていスマートフォンで社内のラーニングコンテンツを視聴しています。
IBM社内のラーニングのプラットフォームには自動で学習時間が集計される機能がついていて、学習時間が一定時間を超えるとチャンピオン・バッジがもらえるしくみがあります。あと何時間学習するとゴールド・バッジがもらえる!というゲーミフィケーションの要素が盛り込まれていて、ついがんばってしまいます。また最近はAIが私の職種(テクニカル・スペシャリスト)や興味のあるエリアに関連した学習コンテンツを勧めてくれます。そこから思いがけず面白い学習コースに出会うこともあり、最近は自分でも学びの幅が広がったなと感じています。先に述べたクラウド資格の学習時間も加算されますし、今年も学習時間200時間以上を目標にしています。
-自分の成長を実感することはありますか。
古里:1番感じるのは、日々の学びのおかげで、お客様と良いリレーションを築くことができるようになったことです。ちょっとした会話のきっかけにも困りませんし、私の属している金融業界のナレッジや他のプロジェクトの事例などを勉強しておくことで、お客様との会話が深まったと感じています。お客様からの質問に答えることや、より本質的な話ができるようになったことで、技術者として自信が持てるようになりました。
3. エンジニアとしての成長点は、好奇心を絶やさないこと
-最後にIBM Consultingのアーキテクト、中谷さんに聞きます。何度か所属組織を変わりながら経験を積んできたそうですが、どのような思いがあったのでしょうか。
中谷:私はもともとIBMのグループ会社のアーキテクトとして、メガバンクのお客様の仕事に長く携わっていました。やがて銀行業界だけでなく、いろいろな業界を見たいと思うようになりました。広い世界への憧れと好奇心が強かったんです。そこで、自ら異動願いを出してグループ会社からIBMへ転籍し、さらに組織も変わりながら、さまざまな業界の仕事に参画しました。経験を重ねてきた中で実感しているのは、担当する業界やプロジェクトの内容が変わっても、アーキテクチャ(情報システム構造やシステムの設計の考え方など)の基本は変わらないということ。私がいまもアーキテクトとして活動できているのは、かつてメガバンクの超巨大開発プロジェクトで得た経験がスキルのベースになっています。その後参画したたくさんのプロジェクトで、銀行以外の業務スキル+アーキテクトのスキルを身につけることができたと思っています。
-好奇心や向上心を持ち続けるモチベーションはどのようなことですか
中谷:私の場合は若手社員の優秀さに対する「危機感」が1番大きいです。彼らを見ていると自分も成長しなくてはと痛切に感じるのです。極端な言い方をすると、同じ時間をかけて勉強しても、若い人に比べて今の私は時間が倍かかってしまう。開発力、プログラミングスキルなどは若者の方が圧倒的に優秀です。ただ彼らはまだ経験が少ない分、論理的にアウトプットする力が未熟なところがあります。
その点では、例えばお客様に読んでいただける資料を作成する際に、ベテラン・中堅社員は勘所がわかっていて、お客様が最も必要とする情報を効果的に示して、わかりやすく説明することができる。私もそういった強みを活かしてお客様との対話や関係性を深め、もっと信頼して頂けるようになろう!と意欲が湧きます。
私の最近の好奇心の対象は、日本のお客様が抱いているシステムの方向性と、その先の共創の可能性にあります。これまでは、自分に与えられた仕事と役割で、お客様に何をご提供できるのかを考えてきました。さらにこれからは、お客様を共創のパートナーとして一緒にどのようなことができるのか、好奇心のアンテナを張り巡らせながら探っていきたいと思います。
おわりに
今回インタビューした4名に共通する、次から次へと湧いてくる好奇心は、技術者としての本質的な探究心とも言えます。この探究心がある限り、人としても企業としても成長が止まることはありません。日頃から意識して好奇心を持ち、次々と生まれる新たなテクノロジーやアプローチを素早く受け入れ、楽しみ、そこから自ら新しい価値を作り出していこうとする意識を持つことが大切です。皆さんも、本記事で紹介したヒントを参考にいろいろなことに好奇心を持ってみてはいかがでしょうか。
- 5G Edge Computing Challenge (主催:AWS社、Verizon社)
- Digital HQ Slackathon (主催:Slack社)
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