IBM Cloud Blog
お客様ニーズに合わせたIBM Cloud ストレージの選び方
2022年03月04日
カテゴリー IBM Cloud Blog | IBM Cloud チュートリアル
記事をシェアする:
IBM Cloud ストレージの間違いのない選択方法をご紹介
IBM Cloud ストレージの間違いのない選択方法を紹介します。
IBM Cloudは、クラウド・アーキテクチャーを構成するためのさまざまなコンピュート メニューを提供しております。また、各コンピュートは、それぞれ使用可能なストレージ・オプションがあります。 まず最初に、データ・ストレージを構成する3 つの基本的なサービスを紹介し、次に各コンピュートメニューで利用できるストレージを紹介いたします。
・ブロック・ストレージ:固定サイズのデータ・ブロックに対するランダムなread/writeアクセスを提供します( 例:ラップトップのディスク・ドライブ )。 オペレーティング・システムは、ブロック・ストレージ上に階層化されたファイル・システム抽象化および、ブロックに直接アクセスするための API を提供します。 ファイル・システムは、オペレーティングシステムでホストされているプログラムで使用可能です。 データベースなどのいくつかの特殊なプログラムは、ブロック・ストレージ API を直接使用します。ブロック・ストレージは、レイテンシーが少なく、高いスループットがあります。ブロック・ストレージ・ボリュームは、通常、一度に 1 台のコンピューターに専有的にマウントされます。
・ネットワーク・ファイル・ストレージ:ネットワーク経由でアクセス可能なディレクトリー (階層) ファイル・システムです。 一般的な API は、ネットワーク・ファイル・システム( NFS) です。NFSのボリュームは、複数のコンピューターで同時に共有可能です。提供されるディレクトリー構造およびファイルは、オペレーティングシステムのファイル・システムに統合されます。
・オブジェクト・ストレージ:名前 (キー) によってアクセスされるデータ (オブジェクト) の集合です。 このシステムは、オブジェクトが入ったバケットを高い耐久性をもって格納し、世界中のネットワークにオブジェクトを配信できるように設計されています。データ分散の規模 (データセンター、リージョン、クロスリージョン) は、配置を制御するバケットに対して選択され、パフォーマンスおよび耐久性に影響を与えます。データ分散の規模が小さいほど、そのネットワーク内のアプリケーションに対するパフォーマンスが向上します。一方で、分散の規模が小さいほど、停電や局地的な災害が、オブジェクトの可用性に影響を与えます。オブジェクトを取得する際のレイテンシーを緩和(例えば、”near line” または “off line” アクセス) することで、保管されているオブジェクトのテラバイトあたりの価格を下げることができます。
IBM Cloud Object Storage (ICOS) は、お客様の価格、パフォーマンス、接続性、可用性、および耐久性の要件に合わせて構成されたオブジェクト・ストレージ・システムです。
これらのタイプのストレージをさらに深く比較するには、”Object vs. File vs. Block Storage: What’s the Difference?“を参照してください。
さらに、 IBM Cloud Catalog には、ストレージ・サービス ( 例えば、データベース、ストリーミング、ログ、メッセージングなど ) があります。 プロビジョニングされると、リソースはプライベートまたは パブリック TCP/IP ネットワークを介してアクセスされます。
コンピュートで利用可能なストレージオプション
IBM Cloud Virtual Private Cloud (VPC) VSI
・インスタンス・ストレージは、紐づいたコンピュートインスタンスと同じライフサイクルを持つブロック・ストレージで、そのインスタンスからのみアクセス可能です。 通常、スループットおよびIOPS性能が最高になります。
・ボリュームは一度に1インスタンスに接続可能ですが、切り離して別のインスタンスに接続することができるブロック・ストレージです。
・ファイル・ストレージは、ネットワーク・ファイル・ストレージです。
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
VPC Storage
Red Hat OpenShift on IBM Cloud
・ブロック・ストレージは、クラスター内のワーカーノード (VPC サーバー・インスタンス) のボリュームを介して使用可能です。
・OpenShift Data Foundation ( 以下のダイアグラムを参照 ) は、ファイル・ストレージ、ブロック・ストレージ、オブジェクト・トレージを提供します。
・Portworxはサードパーティ・ソフトウェア製品で、Blockストレージ上で稼働し、高可用性、集約、Fileストレージ、およびライフサイクル管理機能を提供します。
・オブジェクト・ストレージ上のファイル・ストレージは、バケットのコンテンツにファイルシステムを通じたアクセスを提供します。Kubernetes Persistent Volumes Backed by IBM Cloud Object Storage Buckets.を参照してください。
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
・ブロック・ストレージは、クラスター内のワーカーノード (VPC サーバー・インスタンス) のボリュームを介して使用可能です。
・Portworxはサードパーティ・ソフトウェア製品で、ブロック・ストレージ上で稼働し、高可用性、集約、ファイル・ストレージ、およびライフサイクル管理機能を提供します。
・オブジェクト・ストレージ上のファイル・ストレージは、バケットのコンテンツにファイルシステムを通じたアクセスを提供します。Kubernetes Persistent Volumes Backed by IBM Cloud Object Storage Buckets.を参照してください。
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
IBM Cloud for VMware Solutions
・ブロック・ストレージおよびネットワーク・ファイル・ストレージは、IBM Cloud for VMware Solutionsにとって不可欠な要素です。 豊富なオプションについては、資料で説明しています。 Storage to use with VMware Systems.を参照してください。
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
・Satellite storage templatesは、ブロック・ストレージおよびネットワーク・ファイル・ストレージ用に、完全にサポートされているIBMストレージ・システムおよびサードパーティ・システムで利用可能です。物理デバイスは、現在環境にある Red Hat Local および OpenShift Data Foundation システムに使用できます。テンプレートは、IBM Spectrum ScaleやサードパーティーシステムのようなIBM固有のストレージシステムに対応することも可能です。
OpenShift Data Foundationはファイル・ストレージ、ブロック・ストレージ、オブジェクト・ストレージを提供します。(上記図を参照)
・IBM Cloud Satellite はサードパーティのCloudで利用可能です。これらのCloudにネイティブなSatellite ストレージテンプレートを使用する必要があります。例えば、ブロック・ストレージではAWS EBS FileストレージではAWS EFS です。
・クラウドストレージサービス用のSatellite Linkエンドポイント:
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
・IBM Cloud Satellite 環境内のストレージサービス:
・オブジェクト・ストレージは、 APIを使用してアクセス可能です。
・ストレージサービスは、APIを使用してアクセス可能です。
ストレージの選択
・上にリストしたコンピュートオプションにアーキテクチャー・コンポーネントをマップする際には、ストレージ要件を考慮してください。 例えば、コンポーネントがブロック・ストレージを必要とする場合、そのコンポーネントは IBM Cloud Code Engine上でホストすることはできません。
・データベース、ロギング、メッセージ処理などのストレージサービスが必要な場合は、 IBM catalogを参照してください。 フルマネージドサービスの柔軟性が十分に適合し、 単調な辛い作業も IBM に任せることができます。
・ブロックデバイスへの直接アクセスが必要なアプリケーション ( データベースなど ) をホストする必要がある場合は、ブロック・ストレージが必要になります。 ボリュームは、よりアクセスしやすく、永続性があります。インスタンス・ストレージは、より高性能です。
・アプリケーションがファイル・ストレージを必要としている場合は、共有とパフォーマンス間にトレードオフがあります。 ブロック・ストレージで階層化されたファイルシステムは、コンピュートインスタンスにマウントすることができ、高水準のパフォーマンスを提供しますが、ファイルを同時に他のサーバー・インスタンスと共有することはできません。単一のネットワーク・ファイル・ストレージボリュームは、複数のコンピュートインスタンスからマウントすることができ、ファイル共有が可能です。
・もう一つのトレードオフは、レイテンシーと価格です。オブジェクト・ストレージは、グローバルからインターネット経由でアクセス可能な コンテンツを保管する安価なオプションとなります。バケットは、Archiveモードのように、データ取得に若干時間のかかるモードを指定して構成することもでき、1GBあたり月々わずかなコストで利用できます。 ブロック・ストレージまたはファイル・ストレージの何分の一かのわずかな費用でビデオ、オーディオ、ログ、バックアップなどを保管できます。
・耐久性とレイテンシーも、一般的にトレードオフの関係にあります。オブジェクト・ストレージは耐久性があり、サーバーのインスタンス・ストレージは低レイテンシーです。
・個人的には、アーキテクチャーを実行可能コンポーネントに分解するときに、このディシジョンツリーを使用して、ストレージを決定します。
注: ソフトウェアがファイルシステムに依存する場合は、Code Engine上でホストすることはできません。
典型的な流れは太い矢印の箇所です。こちらを説明します。
・サードパーティー・ストレージ・システムの場合は、IBM Cloud Catalogへ直接すすみます。IBMは、構成、セキュリティー、柔軟性などを管理します。私はそれらを専門家に委ねます。
・使用するソフトウェアがイメージ、文書、圧縮ファイル、静的 HTMLなどのオブジェクトを使用する場合、これらのオブジェクトを、安価で耐久性のある ICOSに保管します。レイテンシーにシビアなオブジェクトのみ、ファイルシステムを使用します。
・マネージドのソフトウェアサービスについては、IBM Cloudのサービスを利用するだけです。データベースは通常、ブロックデバイスを直接使用します。 他のほとんどのソフトウェアはファイルシステム上に構成されます。
ストレージシステム比較:
*IBM Cloud Kubernetes Service and OpenShift instance storage – Classic only
価格については、IBM Cloud cost estimatorにて正確に判断することができます。
インスタンス・ストレージ(プロファイル(例:bx2d-2×8, that has instance storage)選択する必要があります)
ボリューム
ファイル・ストレージ
ICOS
最後に
IBM Cloud catalogでは、幅広くCloudストレージ・サービスを選択でき、IBM Cloud Consoleから、または自動化によってプロビジョンすることができます。
Cloudは概念的に新しいため、Cloud上でサーバー環境が用意されると全てがこれで完了したように思ってしまうかもしれません。しかし、それだけでは可用性を持ち、持続的使えるわけではないのです。
バックアップやリストアなどのストレージ管理の問題は、引き続き重要な考慮事項になります。 IBM Cloudでは、お客様が使用した分だけお支払いいただける従量課金を提供しております。最適なソリューションをお選びいただき、確実な運用の実践にお役立てください。
Blog内にて説明されているIBM Cloudの機能については、こちらをご覧ください。
・IBM Cloud VPC
・Red Hat OpenShift on IBM Cloud
・IBM Cloud Satellite
・IBM Cloud Kubernetes Service
・IBM Cloud for VMWare
・IBM Cloud Code Engine
・Understanding OpenShift Data Foundation
この投稿は、2022年2月21日に、米国 IBM Cloud Blog に掲載されたブログ(英語)の抄訳です。
*IBM Cloudで提供される製品、サービスの詳細説明資料(日本語)はこちらになります。
技術よりの人が最初に読む_IBM Cloud柔らか層本
セキュリティー・ロードマップ
IBM Cloud Blog
統合脅威管理、耐量子暗号化、半導体イノベーションにより、分散されているマルチクラウド環境が保護されます。 2023 安全な基盤モデルを活用した統合脅威管理により、価値の高い資産を保護 2023年には、統合された脅威管理と ...続きを読む
量子ロードマップ
IBM Cloud Blog
コンピューティングの未来はクォンタム・セントリックです。 2023 量子コンピューティングの並列化を導入 2023年は、Qiskit Runtimeに並列化を導入し、量子ワークフローの速度が向上する年になります。 お客様 ...続きを読む
ハイブリッドクラウド・ロードマップ
IBM Cloud Blog
コンポーザブルなアプリケーション、サービス、インフラストラクチャーにより、企業は複数のクラウドにまたがるダイナミックで信頼性の高い仮想コンピューティング環境の作成が可能になり、開発と運用をシンプルに行えるようになります。 ...続きを読む