IBM Consulting
IBM Workdayコンサルティング・サービスを活用した人事領域の変革
2021年10月18日
カテゴリー IBM Consulting | デジタル変革(DX) | 人材育成、適性配置
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中村 健一
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部
タレントトランスフォーメーションサービス アソシエイトパートナー
IBMは2016年よりエンタープライズマネジメント クラウド大手のWorkdayと戦略的パートナーシップを締結し、世界中のお客様にWorkdayを活用した人事・財務領域の変革をご支援しています。また日本IBMとしては2019年に世界初のWorkday製品のリセルパートナー契約を結び、数多くのお客様の変革をお手伝いしています。
「IBM Workdayコンサルティング・サービス」についてお客様事例とともにご紹介します。
i-PROにおけるGlobal One HR Platformの取り組み
i-PRO株式会社(以下:i-PRO)は、2019年10月にパナソニックの一事業部門が独立した会社です。監視カメラやレコーダー、画像解析技術を手掛けるインテリジェント監視ソリューション事業、映像による証拠管理・捜査支援や顔認証システムなどを手掛けるパブリックソリューション事業、手術顕微鏡や内視鏡向けカメラなどを手掛ける医療・産業用映像モジュールソリューション事業を展開されるグローバル企業です。
このほど、グローバルで一体的に組織・従業員情報の管理、新会社の人事戦略の特徴であるOKR(組織・個人が有機的な連携をする目標・成果の管理手法)と呼ばれる手法での目標管理など、新しい人事制度・プロセスを実現するためのプラットフォームとしてWorkdayを採用されました。IBMは2020年9月からその人事ITプラットフォームの根幹となる組織・人事情報管理および目標管理の導入をご支援しました。2021年4月より日本・北米・中国の3拠点 、約1300名の社員が順次、使用を開始されています。以下の通り3つのプロジェクトの特徴(チャレンジ)をご紹介します。
1. 新時代のプロジェクト運営:完全リモートによるグローバル導入支援
1つ目のチャレンジは、新型コロナウイルス感染症による社会的影響のなか、要件定義の段階から全プロジェクトの工程を、日中米の同時展開のためリモートワークで完遂させることでした。
グローバル・プロジェクトに対応するため、日本IBMメンバーとIBM Client Innovation Center中国メンバーとの混成チームで体制を組みました。お客様とオンラインでのセッション開催やビジネスチャット・ツールを活用することで、「距離」を意識することなく、福岡、東京、大阪、中国・大連やアメリカと各地で必要なミーティングやタスクを遂行しました。約7ヶ月間という短期間で本番稼働を向かえられたことは、お客様に新しいご支援の選択肢を提供する機会となりました。
2. 未来を見据えたスキル蓄積:お客様主導でのHR SaaS導入とケイパビリティの向上
2つ目のチャレンジは、お客様ご自身のスキルの内製化です。Workdayを最大限に活用されるために、通常は私たちが担当する単体テストと呼ばれるテストフェーズから、i-PRO 人事部のメンバーが主体となってテスト活動・品質チェックを行い、Workdayのスキルや知識のキャッチアップに努められました。IBMはシェルパという役割を担い、お客様にとっては未知の導入タスクを裏方としてご支援しました。
3. 集合知と経験が蓄積された資産の活用:IBM Japan Workday Core テンプレート
3つ目のチャレンジは、全く新しい人事プロセスを構築するプロジェクトであったため、決められた2021年4月の本番稼働に向けてスコープ及びスケジュールをいかにコントロールできるかにありました。
同社が採用したIBM Workday Coreテンプレートは、Workday HCM Core領域を対象とした日本IBM独自のテンプレート・ソリューションです。Coreテンプレートでは、日本のお客様が人事パッケージ・システム導入時に論点となる異動・発令業務、組織・従業員情報登録業務のフロー・ビジネスプロセスが事前に定義されており、これを活用することで要件定義・プロトタイプを円滑に行うことができます。
プロジェクトが開始されるタイミングで、標準業務フローなどのテンプレートが保有するドキュメント群を、IBMとi-PRO人事部内のユーザーとが共有し、i-PRO特有の業務プロセスなどを議論することができ、お互い共通認識を持ってプロジェクトを進められました。また、その議論の過程では、WorkdayのSaaSの特徴も活かし、業務プロセスを即時にWorkdayの画面やレポートとして参照しました。お客様も私たち自身も確かな共通認識を持って、i-PROのWorkdayに関連する人事プロセスを短期間で定義できたことは、テンプレート・アプローチの大きな価値であったと思います。
今回同社として、一から人事業務・制度を構築される中で、ITシステム自体もお客様にて構築され、IBMはその一端を担うことができました。
i-PROは、まず日米中のグローバル・ワンシステムとして始動されましたが、他拠点展開やWorkdayの機能拡張を計画されており、人事プラットフォーム自体のさらなる成長を予定されています。
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