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IBM Cloud Satelliteによる分散クラウドの導入
2020年12月15日
カテゴリー IBM Cloud Blog | IBM Cloud News
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この投稿は、2020年5月5日に、米国 IBM Cloud Blog に掲載されたブログ(英語)の抄訳です。
ハイブリッドITのメリットを簡単に実現
不整合の発生、複雑性、急速に進化しているクラウド・プラットフォームの運用とセキュリティー確保に必要なスキルと時間不足といった問題を克服できるのであれば、複数のクラウド環境を持つことは多くのメリットがあります。これらのクラウド・アーキテクチャーは、それぞれの環境ごとに異なる開発プラクティスを必要とするため、さらに複雑なものとなります。
あるお客様はこのように話しています。「エンジニアリング担当VPとして私が本当に必要としているものは、パブリッククラウドが一貫性のある方法で複数の自拠点に拡張されることによる恩恵です。」
このエンジニアリング担当VPは世界各地の港で業務を行っている輸送会社に勤めています。通信時間や世界的物流という重要な特性のために、一部のアプリケーションはそれぞれ現地の港で動作させる必要があります。そのため、このVPのチームはアプリケーションをサポートするソフトウェアのインストールと管理に多くの時間を費やしています。
全世界で利用可能な出荷用APIについては、世界的な規模で弾力性をもちアプリケーションの迅速な提供を行うために、パブリッククラウドを活用しています。この結果、ソフトウェアの実行という重荷から解放され、より短時間かつ安全に展開することができます。彼らに本当に必要なのは、パブリッククラウドが提供するメリットを一貫した方法ですべての港にも拡張することです。
この輸送会社にとって有効なのは、分散クラウドでしょう。
動画(55秒,英語版)を見る:
IBM Cloud Satelliteのプレビュー
IBM Cloud Satelliteにより、IBM CloudはIBM Cloud、オンプレミス、エッジのどこにでも利用できるようになり、IBM Public Cloudを通して統一制御されるサービスが展開されます。
IBM Cloud Satelliteのベータ版は、こちらからご利用いただけます。
IBM Cloud Satelliteを使用すると、依然としてパブリッククラウドのセキュリティーと運用面の恩恵をすべて受けながら、最適なロケーションでアプリケーションを実行する柔軟性を得ることができます。Satelliteロケーションとしてはオンプレミス・データセンター、コロケーション・センター、エッジが考えられます。企業アプリケーションがデータの保管場所近くで動作できるので、通信時間が減りデータのセキュリティーが高まります。IBMパブリッククラウドと同様に、IBM Cloud Satelliteでもプラットフォームの違いを気にすることなく、アプリの開発に集中することができます。
IBM Cloud Satelliteを使用すると、次のことを実行できます。
- 最適なロケーションでのワークロードの実行:IBM Cloudは、他のパブリッククラウドと違ってオープンソースのKubernetes基盤で設計されており、IBM Cloud Satelliteロケーションへのより高い移植性を持ちます。パブリッククラウド、データセンター、エッジなど、どの環境でもワークロード、データ、およびサービスを実行できるので、環境全体でアプリケーション動作の一貫性とパフォーマンスの改善を実現できます。
- 多様なクラウド・サービスの利用:ボタンをクリックするだけでAPI駆動のクラウド・サービスを展開します。あらゆる環境に導入され、組み込まれたIBMの専門知識とともにサービスとして運用されます。
- サービスの可用性とコントロールの簡素化:IBM Cloud Satelliteのすべてのロケーションで1つのダッシュボード、共通のIDおよびアクセス管理、一元的な監視を行うことができます。これにより、データとワークロードが存在するエンド・ツー・エンドなセキュリティーの実現に役立ちます。
主なコンセプトとコンポーネント
IBM Cloud Satelliteは「ロケーション」という新たなコンセプトでIBM Cloudを拡張します。ロケーションは、IBMのパブリック・クラウドの外部に存在するインフラストラクチャーであり、サービスとアプリケーションを実行できる場所です。
ロケーションは、アプリケーションやIBM Cloudのサービス・インスタンスを実行するための容量を提供するRed Hat Enterprise Linuxホストのグループによって構成されます。IBM Cloud Satelliteは、クライアントが現在すでに使用しているインフラストラクチャーをサポートします。また、Satelliteのロケーションとして、IBM Cloud Pak Systemや、IBM Global Technology Servicesのローカル・クラウドIaaSオファリングも選択することができます。
ロケーションを作成・登録した後は、そのロケーションを使用してRed Hat OpenShift、IBM Cloud Databases、Continuous Delivery pipelines、AIなどのIBM Cloudサービスの実行を開始することができます。
SatelliteのロケーションはIBM Cloud content catalogの展開対象にもなるので、Satelliteのロケーションで動作するクラスターにIBM Cloudからソフトウェアを展開することもできます。IBM Cloud Satelliteにより、クラウドから管理されるOpenShiftクラスター上のどこにでもIBM Cloud Paksを展開できるようになります。
Satelliteは、複数のロケーションにわたって構成を管理し、ロケーションとIBM Cloud間およびロケーションで動作しているアプリケーション間のネットワーク・トラフィックを管理する機能を提供します。
Satellite Configは、アプリケーションの全体ビューを提供し、構成やアプリケーション展開を制御することができます。
Satellite Meshは、ロケーション間でクラスターを接続する統合Istio service meshを提供し、複数のアプリケーションにわたってポリシー、セキュリティー、および可視性を実現します。
Satellite Linkは、ネットワーク・チームに対してはよりシンプルな管理とアプリケーション・レベルの自動ファイアウォール管理を、セキュリティー・チームに対しては全面監査、パケット・キャプチャー、可視性を提供します。
さあ、IBM Cloud Satelliteではじめましょう
分散クラウドIBM Cloud Satelliteについてさらに詳しいことは、こちらもご参照いただけますと幸いです。
分散クラウドに対するご質問やご相談がございましたら、ぜひ公式サイト(こちら)からお寄せください。
翻訳:IBM Cloud Blog Japan 編集部
*このブログは、2020/5/5に発行された“ Beta: Deploy Cloud Services Anywhere with IBM Cloud Satellite ”(英語)の抄訳であり、2020/5/11に公開された「テクノロジー・プレビュー:IBM Cloud Satelliteによる分散クラウドの導入」から転載(一部最新情報に修正)したものです。
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