IBM Sustainability Software
[事例] ハードウェア製造業者IBMの画像診断AIソリューション使用
2020年07月10日
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インダストリー4.0とは「スマートファクトリー」、つまり「よりスマートな工場」を意味しています。
IBMはメインフレームやサーバー、ストレージなどのハードウェア製品の製造業者であり、私たち自身が部品や組み立ての目視検査にAIによる外観検査を取り入れ、プロセス効率と製品品質が大幅に向上することを身を持って学んでいます。
そしてその経験を通じ、製造業のお客さまが、AIやIoT、アナリティクスなどの先進テクノロジーを工場の運用に統合することで、大きな投資をせずに生産効率を大幅に向上できることも実証しています。
■ 手動検査の限界。そして従来の自動検査システムの限界
電子部品とシステムの複雑性が増すにつれて、手動検査はその困難さを増し、複雑なアセンブリ検査を担当する技術者の疲労度も増し続けていました。
この状態が招くのは、欠陥見落しリスクの高まりです。それが意味するのは次工程以降での修理や修正であり、コスト増加です。
また、従来の自動検査システムのほとんどはルールベースで行われ、すべての欠陥を捕捉するように設定されていました。
それゆえ、実際は欠陥品ではないものも検知してしまうことが多く、追加の手動検査が必要となるという問題を抱えていました。
さらに、テクノロジーの進化に伴い、工場の競争力を保つために、製造業者は新製品の登場にあわせて旧くなった機器の交換や新規導入を検討せざるを得ませんでした。
■ IBMにおける画像診断ソリューション「Visual Insights」の使用
IBMは現在、手動検査と自動検査の両方を併用しています。
私たちがAIを活用した画像診断ソリューション「IBM Visual Insights」による自動検査を始めたのは2018年で、Power Systemsまたはx86 GPUサーバーに搭載し、ディープ・ラーニング機能により高精度の自動欠陥検出を行なっています。
このソリューションのすばらしい点は、まず何よりその使いやすさにあります。
ディープ・ラーニングのスキルを持たない我われ製造部門のエンジニアや技術者が、AIの専門家やデータサイエンティストの手を借りることなく、容易にディープ・ラーニングの画像モデルを訓練し、実装することができるのです。
検査スタートはオペレーターによる場合とPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)による場合がありますが、いずれのケースにおいてもディープ・ラーニングが広範囲・高精度に欠陥を検知します。検査効率は最大5倍、誤検知は20%となり、最高レベルの品質と生産スループットの維持に役立っています。
また、決まった場所で決まった使い方しかできないソリューションではないので、製造プロセスのさまざまな場面で新たな適用方法が発見され続けています。
現在は、カナダ、ハンガリー、メキシコ、米国の製造拠点にて、生産ラインにVisual Insightsが統合されています。
■ ディープ・ラーニングの訓練も導入もわずか数時間
Visual Insightsには主要なディープ・ラーニングのフレームワークとその依存関係が含まれているので、既存の画像や動画の分析によるトレーニングにかかる時間はわずか数時間です。カメラを接続すれば、ほぼすぐにディープラーニングモデルを生産工程に適用させられます。
オンプレミスでもクラウドでもエッジ・デバイスであっても導入可能であり、オペレーターからのフィードバックを与えていくことで、時間の経過とともにディープラーニングモデルは賢くなり続けます。
直感的なインターフェースは、コーディングやディープラーニングの専門知識を不要とし、現場の専門家によるモデルの管理と新しいトレーニング実行を支援します。
これにより、お客さまは貴重なワークロードや人件費を削減し、その分を別工程の画像検査や、映像による作業安全性の向上などにあてがうことができます。
Visual Insightsを使用している私たちの製造施設では、これまでさまざまな業界のお客さまをお迎えし、画像やビデオからなる莫大な量のデータからどのようにより深い理解が得られるかを示してきました。
そこでは多くのお客さまが、インダストリー4.0がもたらす成果を目にし、製造業のデジタルトランスフォーメーションがどのように実現するかを理解してお帰りになられています。
必要とあらば、IBMの工場でVisual Insightsを実際に稼働させ、コンピューター画像認識技術をより良い製品づくりに役立てているエキスパートの支援を提供することも可能です。
私たちの実務を通じて手にした専門知識と豊富な実践経験は、きっとお客さまが価値を実感するまでの時間を大きく短縮することでしょう。
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