IBM Data and AI
次世代Cloud Pak for Dataと新テクノロジーData Fabricについてお伝えしたい5つのこと
2021年05月19日
カテゴリー IBM Cloud Blog | IBM Data and AI | データ活用とAI技術の実用化
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2021年5月11日
お客様は大きな課題に直面しています。膨大な分散型エンタープライズ・データにAIがアクセスしやすいようにし、情報に基づいてビジネス成果を生み出すにはどうすればよいでしょうか。それをコスト効率のよい方法で実現するにはどうすればよいでしょうか。
複数のクラウド環境からデータを取得する場合、データの品質と統合が大きな問題になる可能性があります。またデータのサイロ化が原因によるデータ統合の複雑化はよくあることで、データ管理の一元化がなかなかできずデータに簡単にアクセスできない状態のままです。ビジネスではすべてのデータをまとめて理解して使用できる方法を求めており、データが複雑になると従業員リソースに負担がかかり、運用コストが増え、意思決定が遅れる可能性もあります。
3年前に発表したIBM Cloud Pak for Dataでは、あらゆるハイブリッドクラウド環境のデータにAIを適用する機能を企業に提供します。発表以来、Lufthansa、State Farm、およびUBSなどのお客様が、これらの機能を活用してデータから価値を抽出し、AIを強化してきました。
このたびIBMはCloud Pak for Dataの新しいインテリジェントなデータ・ファブリックに新たなAI活用機能を導入します。これには、AutoSQL (構造化照会言語: Structured Query Language)と呼ばれる画期的なテクノロジーも含まれます。AutoSQLテクノロジーは、AIを使ってデータへのアクセス、統合、管理をデータの保存場所に関係なく自動化できるため、データを移動する必要がありません。IBMは、新しいデータ・ファブリックとAI機能を活用して、データとAIのライフサイクルを自動化することで、お客様にとって大きな差別化要因になると思われるもの(時間、資金、リソースの確保)を提供し、リソースを節約すると同時に適切なデータを適切なタイミングで適切な人材につなぎます。
次に示すのは、Cloud Pak for Dataの新機能と、その機能がなぜビジネスにとって重要なのかを理解する上で必要な5項目です。
1. データへのアクセスを自動化、ハイブリッドマルチクラウド間でのデータ移動が不要
新しいAutoSQLテクノロジーは、データの保存場所や保存方法に関係なくAIを使ってデータへのアクセス/統合/管理をお客様が自動化できるように設計されているため、データを移動する必要がありません。これは、AIでの成功を目指す人々にとっては非常に重要です。なぜならGlobal AI Adoption Index 2021 (英語)では企業のほぼ90%が、データの保存場所に関係なくAIプロジェクトを実行できることがAI採用の鍵であると言っているからです。ただし、そのうちの32%は、採用の主な障壁はデータの複雑さとデータ・サイロだと言っています。
2. データクエリーのさらなる高速化設計
新しいAutoSQLテクノロジーではデータウェアハウス、データレイク、ストリーミング・データなどさまざまなデータ・ソース間で同じクエリー・エンジンを使用します。手動での追加変更やデータ移動は不要なため、データの移動や複数のクエリー・エンジンの保守に必要な時間とリソースを節約することができます。AutoSQLテクノロジーの導入により、IBM Cloud Pak for Dataに市場最良のパフォーマンスを発揮するクラウド・データウェアハウス (英語)が搭載されました(IBMのベンチマーク調査に基づく)。AIを活用することで、お客様は分散クエリーに対する回答を取得する際、他のデータウェアハウスに比べて最大8倍、コストはほぼ半分 (英語)になりました。
3. 新たなAI活用機能を「織り込んだ」インテリジェント・データ・ファブリック
Cloud Pak for Dataを支えるのは、複雑なデータ管理タスクを自動化するAIを使用し、AutoSQLなど新たなAI機能を「織り込んだ」新しいインテリジェントなデータ・ファブリックです。データレイク、カタログ、ウェアハウスなど、さまざまなデータ・ソースを検出して1つの統合ビューで一元管理するように設計されているため、ビジネス・ユーザーは単一のアクセス・ポイントを利用して、組織全体にわたってデータを検索、理解、形成、使用することができます。これまで企業はさまざまなデータ・ソースのデータ・プラットフォームを組み合わせて、データを手動で統合する必要がありました。新しいデータ・ファブリックはハイブリッドクラウドの複雑さを取り除く設計となっており、ビジネス・ユーザーはプライバシー、セキュリティー、コンプライアンスを危険にさらす心配なく必要なデータにアクセスできます。
4. データをカタログ化して保護する新たなAI活用機能を統合したインテリジェント・データ・ファブリック
新しいインテリジェント・データ・ファブリックの一部としてAutoSQLテクノロジーを補完するAutoCatalogは、ビジネス全体にわたってチームがデータを簡単に見つけられるように設計されたAI搭載の「ブレイン」であり、データの検出方法と分類方法を自動化して、さまざまなデータ・ランドスケープからのデータ資産のリアルタイム・カタログを維持します。AutoPrivacyは、IBM Cloud Pak for Data内で利用可能なユニバーサル・データ・プライバシー・フレームワークの主要な側面です。AutoPrivacyは、AIを使用して、組織全体の機密データの識別、モニタリング、およびその後のポリシーの適用をインテリジェントに自動化するように設計されています。
5. 「Watson Anywhere」戦略の推進と、データの保存場所に関係なくAIを導入する機能の再表明
このニュースはIBMのWatson Anywhere戦略のさらなる拡張です。他社製品と異なり、IBMのWatson Anywhereなら、お客様のデータがどこにあってもAIを導入できるようになります。
Think 2021では、ING、CitiBank、Verizonなどのビジネス・リーダーから、AIで成功するための取り組みについて聞くことができます。AIによる変革の力は紛れもないものですが、AIに対する期待をビジネス成果に変えるには、今日の多様なデータ・ランドスケープの複雑さに対処できる強固な基盤が重要です。
Think 2021のお客様の言葉をご覧ください。
Ferd Scheepers氏(ING Tech Group Services社のチーフ・アーキテクト)の言葉:
私たちが求める統合レイヤーとは、データのマッピングを処理し、AIを使用してデータの意味を理解し、個人データの国外流出を法律で禁止している国では境界を越えてデータが移動しないようにポリシーを実施し、理想を言えば自分たちで構築しなければならないすべての作業を100%実行するものです。これをまさに実現してくれるのがデータ・ファブリックです。データを使用してできることもでないこともアクティブ・メタデータで推進され、地域やクラウド全体で一貫した方法でデータを利用できるようになるため、データ利用者は必要な場所と方法でデータを使用できます。必要なデータを取得するために1年にもわたるITプロジェクトを組む必要はありません。」
Sal Maraccino氏(Verizon社のデータ・ガバナンスおよびアーキテクチャー責任者)の言葉:
「データは、企業や従来のウェアハウス、データレイク環境全体にわたってサイロ化されているため、データを大規模に組み合わせることができません。そこで私たちが目指しているのは、データ・ファブリックを導入して、社員が1つの共通プラットフォームにまとめることができるレイヤーを作成することです。これで、ファブリック・レイヤーと一貫した方法で制御を管理できるようになり、実際に拡張できるようになりました。制御全体が均一化され、従業員へのアクセスも簡素化されています。」
詳細情報:
Cloud Pak for Dataと新機能の詳細については、こちらのブログを参照してください。
https://www.ibm.com/events/think/ (英語)では、THINK 2021のコンテンツをオンデマンド(6月23日までの期間限定)で視聴いただけます。
原文:5 Things You Need to Know About IBM’s Next Generation Cloud Pak for Data and New Data Fabric (https://newsroom.ibm.com/5-Things-to-Know-about-Cloud-Pak-for-Data-and-New-Data-Fabric(英語))
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