社員が語る「キャリアとIBM」

日本生まれのSiViewを、半導体工場のお客様に

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社員が語る「キャリアとIBM」では、社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。

今回は、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)、S.K.さんのインタビューをお届けします。

Q.現在の所属部署と入社時期を教えてください。

IJDSのデジタル事業部、インダストリアルソリューション本部に所属しています。IBMの製造実行システムであるSiViewをデリバリーする部門のマネージャーをしています。職種は、ITスペシャリストです。2001年4月に入社しました。

Q.ITの世界でキャリアを築こうと思った理由を教えてください。

学生時代に機械工学を専攻していたので、ものづくりに興味があったことと、当時はITブームで、システムエンジニア職が注目されていたことの2つが大きな理由です。

Q.学生時代の学びで、今の仕事に生きている点はありますか?

機械工学とシステム開発は、扱うのが物理的なものなのか、データなのかの違いはありますが、「設計がしっかりしていないと動くものが作れない」という点は共通です。機械工学がベースにあったので、システムを作る一連の流れが、違和感なく頭に入ってきました。

Q.今までのキャリアの変遷を教えてください。

最初の配属は、滋賀県にあったIBMの野洲工場です。研修を終えた後に、SiViewのプロジェクトにアサインされ、エンジニアとしていくつかのお客様を担当しました。その後、液晶パネルの工場のシステムや、家電メーカーの社内システム、発電所のシステムを担当したこともありますが、一番長く担当したのは、SiViewになります。

Q.今までのキャリアで得たものを教えてください。

様々な立場を経験することにより、なぜ、立場の違いで言うことが変わってくるのかを理解できるようになりました。

メンバーとしてだけではなく、チームリーダー的な立場で参画したプロジェクトもありますし、プロジェクト・マネージャーとして、プロジェクトにアサインされたこともあります。経験することで、リーダーの難しさや、プロジェクト・マネージャーとしてチームの要員管理やコスト管理を行う大変さを肌で感じましたし、「なぜプロジェクト・マネージャーがそう言うのか」が分かるようになりました。その経験があったからこそ、相手の視点を持ち、先回りして準備をしておけるようになったのだと思います。

Q.現在の仕事内容、役割マップ*を見ながら解説ください。

*役割マップ
=「社員が何を行なっているのか」「誰と仕事をしているのか」「期待の大きさ」を視覚化したもの

役割はいくつかあります。

SiViewをデリバリーするプロジェクトでは、要件定義から設計、開発、テスト、導入の全てのフェーズを担当しています。半導体の工場は、お客様によって運用が異なります。細かい要件を伺い、ギャップを明らかにした上で、SiViewをカスタマイズし導入させていただいています。また、保守のプロジェクトに関わることもありますし、プロジェクトとは別に、新規のお客様、既存のお客様への提案にも関わっています。新たにチームに加わったメンバーの育成も重要な仕事になります。

また、SiViewは、私のようにデリバリーを行う部門と、製品そのものを作る部門に分かれています。製品開発部門とは定期的にミーティングを実施し、お客様からの要望や、プロジェクトで起きたことを開発部門にフィードバックすることで、製品に反映してもらうようにしています。

Q.「SiView」について、ご紹介ください。

正式名称は、IBM SiView Standardと言います。IBMの野洲工場で生まれた、半導体工場に特化した製造実行システムです。

工場と聞くと、一方通行の製造ラインを製品が流れていくイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、半導体の製造工程は一方通行ではなく、大変複雑な工程を辿り作り上げていく形になります。工場内には、半導体の製造に必要な数十機種の装置が、百台以上並んでいます。半導体は、それらの装置により、回路のパターンを、何回も、何重にも形成しながら、1,000以上の工程を経て作っていきます。工程情報や、工場内の製品の状態や進捗、製造装置の状態を管理し、最適化するために使われるのが、SiViewです。工場を全自動化し、稼働率向上に貢献するためのシステムとも言えます。

Q.Siviewがお客様に選ばれている理由を教えてください。

お客様に選ばれている理由の1つが実績です。大変多くのお客様にお使いいただいています。

SiViewは、IBM自身が、野洲工場で半導体を製造している時に使っていたシステムを基に作られたものです。自社で使用していたシステムを外販するために、国内外のお客様にご紹介をし、そして導入いただいてきました。高い品質の製品をご提供してきたのが、お客様に選んでいただいている最大の要因だと思います。また、SiViewは、誕生以来20年以上経ちますが、毎年新しい機能を取り込み、更新を続けているのも特徴の1つです。

日本のお客様からは、「SiViewは、日本のチームが作っている点が楽」という声をいただいたこともあります。私たちの製品は日本語でのやりとりを含めて、日本的な対応ができる点をご評価いただいています。

Q.IJDSがお客様にご評価いただいているのは、どのような点でしょうか?

現在私は、製造装置とシステムを繋ぐアプリケーションの開発プロジェクトに関わっています。半導体工場のお客様だけではなく、装置メーカーの方ともコミュニケーションを取り、仕様を詰めていきます。お客様、装置メーカー様のどちらかに偏ることなく、それまでの実績、経験を踏まえ、さらに半導体の業界標準であるSEMIスタンダードを理解した上でお話をし、双方に納得いただく形をご提案するよう心掛けています。実績や経験、業界標準を理解していることを、ご評価いただいていることを感じます。

Q.Siviewのプロジェクトに携わる面白さを教えてください。

SiViewのプロジェクトは、規模が様々です。機能改善のプロジェクトもあれば、工場立ち上げに関わるような規模が大きいものもあります。それらのプロジェクトで要件定義から設計、開発、導入までの一通りの流れを最初から最後まで経験できるのが面白いところだと感じています。また、私自身、エンジニアとして、SiView以外のプロジェクトも複数経験しましたが、ここでしっかりと学べば、他のところでも十分通用することを肌で感じています。

Q.チームのメンバーについて教えてください。

職種は、ITスペシャリストやアーキテクト、プロジェクト・マネージャーと、多彩です。文系、理系、国籍もバラバラです。また、20年以上前に野洲工場での勤務を経験した方から、入社10年以内の方まで幅広い年代の方が活躍しています。ベテランの方々は、次の世代に繋げないといけないという思いを持っていて、もしかしたら「息子や娘に教えるかのような感覚」でアドバイスをくださる方もいらっしゃいます。

Q.IJDSでのキャリアを通じて、成し遂げたいことを教えてください。

今までも常にやってきたことですが、プロジェクトで役割を果たしていくことは、これからも続けていきたいです。

その上で、若手や新しいメンバーの方々にもSiViewを知ってもらい、チームで、お客様の期待に応えていきたいと思います。私が主に担当している装置オンラインができる人材は、今、引く手数多です。一人でも、自分の経験を伝え、新たな人材を育てていきたいと思います。

IJDSのSiViewのチームは、日本が今、国を挙げて一生懸命取り組んでいる半導体ビジネスに関わることができる組織です。生で、今の状況を体験できる、良いチャンスだと思います。


根本 亮
インタビュー・執筆:根本 亮
Japan Employer Branding Manager
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