社員が語る「キャリアとIBM」

お客様と共に、事例を超えるために

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社員が語る「キャリアとIBM」では、IBM社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。

第四回目は、IBMコンサルティング事業本部のアソシエイト・パートナー、M.O.さんのインタビューです。

Q.現在の所属部署や入社時期を教えてください。

現在はIBMコンサルティング事業本部のBusiness Transformation Service(BTS)でアソシエイト・パートナーとして仕事をしています。入社は2020年11月です。

Q.今までのキャリアを教えてください。

社会人キャリアのスタートは日本IBMからです。大学で機械工学を学んだ後、新卒で入社しました。7年半後に戦略ファームに転職をし、総合ファームを経て、再び日本IBMに戻ってきたのが2020年です。

Q.新卒で入社した日本IBMでの7年半は何を担当されていたのですか?

最初の3年間はSEとしてカスタムSIのプロジェクトを担当していました。その後パッケージを扱う部門に異動し、2年間パッケージの導入経験を積みました。後半の2年半はバックオフィスに移り、営業管理やリソースの配置を行う部門を経験しました。

その時々の所属長と相談しながら、部署異動を含めた次のキャリアやスキルのステップアップを具現化出来る環境を持っている組織は素晴らしいと今でも思います。

Q.戦略ファーム、総合ファームを経験した後に再びIBMでキャリアを積もうと考えた理由を教えてください。

「事例を超えられない」という問題意識を持ったためです。

戦略ファーム、総合ファームでの10年間、国内外を問わず多くのお客様から事例を知りたいというご要望をいただいてきました。ご要望に合わせて事例をご紹介すると、同様な施策の検討や取り組みが始まります。ただ、そうしたとしても「事例を超えられない」という問題意識を次第に私自身が持つようになりました。同業他社の取り組みと足並みを揃えることは出来ても、それでお客様はその業界で、あるいは業界を超えて勝つことができるのだろうか、という問題意識です。もう一歩「事例を超える」ことが出来ないのです。

そんな折、最近のIBMの取り組みを知る機会がありました。「事例を超える」ために、自社でテクノロジーを持ち、自社にテクノロジーに強い方がいて、グローバルでも日本でもファースト・ケースを創ってこられた方がいるような環境に戻ろうと思いました。

Q.IBMに戻って来られてからもうすぐ2年です。当初の目的は果たせましたか?

お客様と共に本当の変革を起こし、事例を超えるような新しい取り組みを実現するというのは簡単にはいきません。ですが、その目線を常に持ち続け、お客様が企業として成長していくために本質的に何が必要なのかといった議論を、お客様や社内のメンバーと続けてくることができました。これはIBMに戻ってきて一番良かったと感じることです。

Q.なぜIBMでは「事例を超える」ための取り組みができるのでしょうか?

これにはいくつか理由があると感じています。

一つは「お客様と共創する」というスタンスを大事にしていることが大きいと思います。「共創する」とは、どちらかがどちらかに任せるのではなく、「お客様とIBMとで一緒に創っていこう」というスタンスです。最近パートナーシップに関するプレスリリースも増えました。これらはお客様やパートナー様と一緒に取り組んでいる成果だと思います。

二つ目が国内外にいる知見や問題意識を持った方々の存在です。IBMは多くの方々が自発的に勉強会を実施しています。それらに参加し、質問や議論をする機会も多くあります。IBM社員が知見を積み重ねることができているのは、お客様と共に誰もやったことがない数々のファースト・ケースを創ってきた経験と、それらを社内で共有していく文化が大きいと思います。知見を持つ方々と本質的な議論を重ねることが出来るのが「事例を超える」事につながると考えています。

更に、IBMとして研究開発部門や、ハードウェア、ソフトウェアを含む自社の製品、それに伴うサプライチェーンの経験や事例などが沢山ある事も、「事例を超える」取り組みをお客様と実現する為の重要なポイントだと思います。

Q.現在の仕事内容、役割マップ*を見ながら解説ください。

*役割マップ
=「社員が何を行なっているのか」「誰と仕事をしているのか」「期待の大きさ」を視覚化したもの

普段何を行っているか、左側の欄には4つ大きく書きましたが、仕事を大別すると2つに分けられます。1つは管理職としての仕事、もう1つがIBMのビジネスを推進するための仕事です。

私は現在IBMコンサルティング事業本部のBTSの中にあるFinance and Supply Chain Transformationという組織内にある1つの部門を率いています。チームメンバーの管理、相談、スキル育成は重要な仕事です。また、チームの戦略や方針の立案、財務目標の与実管理等も行っています。

IBMのビジネスを推進する仕事は、スマート・ファクトリーやサステナブル・サプライチェーンという担当領域の推進、それと私自身が携わるプロジェクト業務になります。スマート・ファクトリーの推進は、お客様の工場内のレベルアップや自動化をどう実現するのか、エッジ・コンピューティングやロボティックス等の技術を使い、どう現場を変革するのか、そういった取り組みのことです。サステナビリティーの領域は国内での需要ががまださほど海外と比べると本格化していないので、オファリングの開発や人材の育成も重要な仕事になります。

Q.現在の仕事は、どのような現状に直面しているお客様に対して、どのような観点で貢献していますか?

私は今、製造や公共、電力のお客様を主に担当しています。製造業でお伝えしますと大きく2点、規制への対応と事業の変革期に直面しているお客様が多い印象です。

「規制への対応」は、「その域内でビジネスを継続するために遵守しなければならないルールへの対応」のことです。最近はサステナビリティー情報開示などを含む規制動向も変わってきています。国内外の情報を収集し、情勢をしっかりと見定めて計画的に数年を掛けてアプローチをしていくことが重要です。

また、従来のモノづくりのやり方、売り方を根本的に変える取り組みをお考えのお客様が大変多い印象です。お客様は今後何を事業の根本に持つのか、どうポートフォリオを組むのかを考えていらっしゃいます。そのようなお客様に対して、私たちはIBM自身が経験してきた変革の経験や取り組み、難しさをお伝えすることができますし、また、経験を通じて培った数々のノウハウもご提供することができます。「やっている人だからこそ話せる」強みを感じます。

Q.製造業のお客様が、モノづくりのやり方や売り方を根本的に変える取り組みをお考えなのは何故ですか?

3つの理由があります。

1つはZ世代の台頭です。生まれながらにしてデジタルネイティブである最初の世代だとも言われている方々が会社を動かす世代になろうとしています。そういう世代の感性が従来のありように影響を及ぼし始めているということです。

また、今まで会社を創ってきた世代が続々と退職を迎えていることも影響していそうです。その世代の方とお話をさせていただくと、自分たちが創ってきた会社の仕組みやモノを大事にして欲しいという思いを抱いている一方で、今後を考えるともっと良い方法があるのではないか、若い世代には次の面白いモノを見つけ、創っていって欲しい、そういう思いを持った方が大変多いことを感じます。そういった世代の後押しも変革の機運を高めているように感じます。

最後に経営者の方々が自分たちの会社のありようをもう一度考え直そうとしているのも感じます。新しいビジネス・モデルの創造やパーパス経営のあり方などの提言が増えている中で、今までの企業理念と違って、社会的意義や本質的な存在意義、企業のあり方を考え直す動きが今までのモノづくりや売り方を根本的に変える取り組みにつながっています。

Q.変革をお考えのお客様からIBMがご評価いただいている点と期待されていることを教えてください。

ご評価いただいているのは「考え抜いた提案をお持ちしている点」だと感じます。他社事例のみならず、自社のテクノロジーや経験を踏まえた「テクノロジーや業界の知見が詰まったプロフェッショナルな提案」だからこそ、ご評価いただけているのだと思います。

金融業や製造業をはじめ、様々な業界のお客様とIBMは難易度の高いシステムを作り上げてきました。その実績と経験を大いに評価し、期待を寄せていただいていることを感じます。また、IBMは難易度の高いプロジェクトを通じて人材を育成することが出来ました。その人材がIBMの力です。それがお客様への次のご提案やプロジェクトに活かせているのだと思います。

Q.最後の質問です。IBMでのキャリアを通じて、成し遂げたいこと、やっていきたいことを教えてください。

お客様の業界を超えた事例となるような変革を、お客様と一緒に創っていきたいと思います。

日本企業が全世界にMade in Japanの強さを知らしめていた時代がありました。何故Made in Japanが強いのか、その真髄を知りたいと思い勉強したことがあります。もう一度、一緒に強い会社を創っていきたい。事例を超えたい。お客様との共創を通じて変革を実現したいと考えています。


根本 亮
インタビュー・執筆:根本 亮
Japan Employer Branding Manager

 

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